シャープに聞く「AQUOS sense9」の進化と「AQUOS R9 pro」を作ったワケ 根底に“AQUOS R9の刷新”あり
ハイエンドモデルで培ったライカ画質のノウハウが生かされている
―― ここまで変えている一方で、オープンマーケット版は6万円を切っています(メモリ6GB/ストレージ128GBモデルの場合)。コスト的には大丈夫だったのでしょうか。 清水氏 確かに部品によってはお値段が上がっているところもありますが、そこは弊社の技術陣も頑張りました。工夫したのが他モデルとの共通化で、そこがうまくいっています。例えば、メインの広角カメラに関しては「AQUOS R9」と共通化されていますし、超広角カメラに関してはAQUOS R9だけでなくAQUOS R9 proまで全て同じものになります。ボリュームを出せると費用面や調達面で有利になるため、そういった工夫でコストダウンを図っています。もちろん、SoCが違うので画質は完全に同じになるわけではないのですが。 ―― その画質ですが、AQUOS R9やR9 proと違い、sense9はライカ監修ではないですよね。それでも、以前のAQUOS senseに比べるとカメラも写りはかなりよくなっていると思います。 中江氏 ライカ画質とはなんぞや、というところですが、確かにAQUOS R9やR9 proはライカの評価を受け、ブラッシュアップされています。一方で、中で開発しているエンジニアは同じなので、そのノウハウはしっかり詰まっていて、ライカ画質に近い性能は出せています。承認を得ているわけではないのでライカ画質かというと違うのですが、カメラに関しては、AQUOS senseはもちろん、AQUOS wishにもライカと一緒にやってきた技術が下りてきています。 ―― 上位モデルでやったことが、全体のプラスになっているということですね。 清水氏 そうなっています。手前みそですが、この数年でカメラの画質はぐっとよくなりました。 中江氏 画質はどんどんレベルが上がるというより、ある正解があって、そこにどれだけ近づけられるかの勝負です。正解を知っているのと知らないのでは、勝負の仕方が変わってきます。ライカと組むことで、ライカという正解をもって画質調整ができるからです。今までは、いろいろな人が見て、「こっちがいい」「いや、あっちがいい」とやっていましたが、そういったブレはなくなりました。チューニングしていく中で、はっきり答えが出せるのはめちゃくちゃ強いですね。 清水氏 その裏側では、弊社の社員もとにかく写真を撮りまくり、地味にチューニングしています。単にライカが見てくれただけではありません。僕も家では子どもの写真を撮りまくっています(笑)。