大阪府・吉村知事が定例会見2月18日(全文4)入り口より出口の方が難しい
解除要請の判断や解除後の措置を決める際の難しさとは?
共同通信:共同通信の黒木です。すみません、関連して1点だけ。前回の本部会議では、宣言解除要請する場合は、まん延防止等重点措置への移行も併せて要請されるという方針を決められていましたけど、知事も出演された『日曜討論』の場で西村大臣が解除後の適用に否定的な考えを述べられて、政府は今週も宣言解除は見送るとの報道もありますけど、国は結構、宣言解除に慎重な印象を持っているんですが、まん防措置のことですとかそういう国の姿勢を受けて、知事として現在、解除要請のあすの判断ですとか解除後の措置とか、その部分を決めるに当たって難しさというものをなんか感じていらっしゃるのであればちょっと。前回、この間、テレビに出演されたときもかじ取りが難しいというふうにおっしゃっていたので、その辺ちょっとお考えを伺えれば。 吉村:いや、本当にこの緊急事態宣言についてはかじ取りが難しいと思います。特にこの出口の部分はかじ取りが本当に難しい。入り口より出口のほうが難しいというふうに思います。入り口のときっていうのはぐっと上がっていますので、3府県知事の考え方もかなりスピーディーに一致しましたし、全国的にやっぱり抑えていこうよという、そういう判断になるんですね。僕が要請したときはまだ増えたのは2日間だけだったので、そもそもこの2日間でそう見るべきなのかどうかっていうのは、ちょっと国とのやりとりはありましたけれども、僕はいろんな状況も踏まえた上で、これは要請すべきだと判断してしました。
考え方や生活がポジションによって違う
そこは入り口の部分よりも出口が難しいっていうのは、社会が、なんて言うのかな、それぞれポジションによって違うんですね、考え方が。生活も全然違うし、それぞれ命や生活に関わる部分です、ここは。先ほどの質問でもありましたけども、日々のやっぱり仕事をされている方からすると、ある意味、感染がぐっと増えているときはそれは仕方がないけど、ぐっと抑えてきたときに、今、感染者数でいくと12月とか11月よりうんと少なくなっているような状況のときに、ずっとどこまでじゃあこれは緊急事態宣言として、営業の自由というのも当然制限をされて、自分たちが仕事ができない状況が続くのかと。これは死活問題なわけです、その人たちにとっては。 その人たちにも家族がいて子供もいるわけですし、このいろんなものを制約するっていうのはそういう、商売だけじゃなくて、心の問題、ここも非常にひずみが生じます。心のケアの相談窓口も今日発表のとおり、強化はどんどんしているんですけども、やはり心身のストレスというか、そういったものも非常に高まってくる。あってはなりませんけど、自殺というのはなんとかやっぱり抑えなきゃいけないわけですけど、経済的に非常に厳しい状態が続くとそういったこともあり得るし、それをなんとか抑えていかなきゃいけない。 だからコロナによって影響を受けるのは、コロナの感染症によるものだけではないんですね。医学的な意味でのコロナの感染症によるものだけではなくて、やっぱり命を落とされる方であったり、生活が奪われる方、仕事が奪われる方が出てくる。これを補うのが行政の役割なんですけど、そういった意味で支援金等々やっていますが、やっぱり100%にはならないですね。税で100%埋めるのはなかなか難しい。支援金でいろいろやっていますけども、やっぱり社会経済をある程度動かしていかないと成り立たない。でも感染症対策もやらなきゃいけない。この両立をいかに図っていくのかというのを、出口ではやっぱり求められるわけです。 僕も感染症は1人でも減ってもらいたいとは思いますが、例えば医学の専門家の立場の人からすれば、それはそこの社会経済というのはちょっと置いて考えると、やっぱりとにかく今の状態のほうが、あるいはもっときつくするほうが感染症対策としては収まるわけですよ。その声は当然、今も出ているわけです。じゃあそのとおりにずっと抑え続けて本当にいいのかというのを、逆の立場で生活している人のこともやっぱり考えなきゃいけないのが知事の仕事だと。そこは誰かが判断しないと、両極論になっても僕はいけないんじゃないかなというふうには思っています。