猪口邦子参院議員 悲痛、2人死亡 台所周辺で発見…夫・孝さんと長女か 最上階の自宅マンションで火災
東京都文京区にある自民党の猪口邦子参院議員(72)の自宅マンション火災で、警視庁は28日、現場から見つかった2人の死亡を確認したと明らかにした。いずれも性別不明。夫で国際政治学者として著名な東大名誉教授の孝さん(80)と長女(33)の安否が分かっていない。猪口議員は次女を含め4人暮らしだった。 【写真】火災で窓ガラスが割れた猪口邦子参院議員の自宅マンション 捜査関係者によると、マンションの防犯カメラ映像から、27日午後5時ごろに孝さんと長女はそれぞれ帰宅していた。出火時に猪口議員と次女は外出中。死亡した2人は台所周辺で発見された。玄関は施錠されていた。これまでに現場で油分は確認されていない。 猪口議員は28日午前に行われた参院本会議を欠席。自民党関係者は「とても出席できるような状態ではありません」と明かした。孝さんが通っていた理髪店を営んでいた80代男性は「孝さんは足が悪くなり1年半ほど前から来なくなった。逃げられたと思いたい」と肩を落とした。 27日午後7時10分ごろ、同区小石川の6階建てマンションから出火していると通報があり、28日午前3時50分ごろ消し止められた。6階約150平方メートルが燃えた。 なぜ鎮火まで8時間以上もかかったのか。現場は、東京ドームから北に約500メートルのマンションや住宅が立ち並ぶ一角で、路地が狭く車1台がようやく通れるほどの幅。消防車など30台以上が出動して消火活動に当たったが、はしご車は近づくことができなかったという。 また、建物は最上階6階のワンフロアに1住戸の構造。南側には大きな窓が並んでいる。専門家によると、マンションの住戸と住戸の間には通常防火壁があるが、それがなく、窓が大きく空気が入りやすい構造だったことで、燃え広がった可能性がある。 警視庁は28日、当時の状況などを調べるため現場を実況見分。捜査員が部屋に入り、写真を撮るなどした。出火原因や身元の特定を進める。