これが本当のネイキッド!! 1980年代に生まれて消えた「カウル脱いじゃった系」ネイキッドモデル
FZ400Rの影に隠れた“初ネイキッド”、FZ400Nは1985年に登場
当社所蔵の資料で調べた範囲での検証に過ぎないが、カタログやプレスリリースに「ネイキッド」の言葉が出てきたのは、1985年3月に発売のFZ400Nが最初のようだ。同車は1984年5月発売の4ストレーサーレプリカFZ400Rの派生モデルで、「ピュアスポーツ」のキャッチフレーズが付けられ、カタログには「頂点を目指し、速さの本質を知り、そして自分に還る。美しきネイキッド、FZ400N」と謳われていた。 車名のNはNakedの頭文字に由来し、その姿形はFZ400Rをベースにしつつ、カウルを取っ払ってアップハンドルを付けたもの。しかしインパクトの強いストロボカラーのFZ400Rに対してFZ400Nは地味な単色で、当時から洗練されていたヤマハデザインとしては冴えの感じられないものだった。「教習車か?」とツッコミを入れたくなる没個性な雰囲気が際立ったが、実際これをベースに教習車仕様も相当数供給されたという。 (写真説明) ■1984年発売の4ストレプリカFZ400R(写真下)に続き、翌1985年に発売のFZ400Nは、国産で初めて「ネイキッド」の表現が使われたモデル。基本をFZ400Rと同じくしながらカウルを取り外し、専用のアップハンドル、ソリッドカラーとエンジンヘッドカバーやクランクケースのゴールド色採用などが特徴。性能はFZ400Rに準じて最高出力59psを発揮。当時価格はRの59万8000円に対し、FZ400Nは56万9000円。 ■カワサキ・ゼファーの影に隠れて存在感が薄いが、同社にもカウル取っちゃった系ネイキッドは存在。その一例が1985年10月発売のFX400R。GPZ400R(1985年)系の水冷並列4気筒を角断面スチールフレームに搭載した同車は、ネイキッドとは謳わず「ニューストリートスポーツ」をキャッチフレーズにしたが、存在感をアピール出来ずに生産終了。性能はGPZ400Rと同じで、最高出力59ps。価格はGPZの62万9000円に対し、FXは55万9000円。なお、この異色ネイキッドの後継として、4ストレーサーレプリカZXR400のネイキッド版ザンザス(1992年)が登場したが、これも長寿モデルとはならなかった。