「もっと誇りに思ってほしい」─自分の“正体”を子供にどう伝えた? レイザーラモンHG夫妻の答え
テレビをつければ、「フォーー!」という雄叫びが聞こえてきた2005年。桁外れのブレークを成し遂げたレイザーラモンHGも、今や1男1女(中1と小4)のパパである。 一発屋という“苦い”言葉に触れさせたくないと、10年近く自分の生業(なりわい)を長女(小3)にひた隠しにしている筆者にとって、HGが“ハードな芸”をどのように子供たちへ伝えたか(あるいは秘密にしているのか)は長年の関心事。ぜひ参考にと話を伺うと、一時代を築いた男が迎えた変化とともに、しなやかな家族観が見えてきた。(取材・文:山田ルイ53世、写真:石橋俊治、Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
ハウススタジオに現れたキラキラ夫婦
「パシャ! 良いですねー! パシャパシャパシャ!」 都内のハウススタジオに小気味よく響き渡るカメラのシャッター音。窓から降り注ぐ柔らかな陽光の中、ファッション誌の表紙でも飾ろうかというしゃれた装いのカップルが次々とポーズを決めている。 撮影に立ち会っていた筆者が、「ちょっと僕、向こうで待ってますね……」とものの数分で席を外したのは、女性の腰にさりげなく回された腕とか、ピンク色のスニーカーとか、2人の屈託のない笑顔とか、とにかく全てがまぶしくて、いたたまれなくなったからだ。 やたらとキラキラした雰囲気を漂わせるこの夫婦。妻は名うての起業家・住谷杏奈、夫・正樹は希代の一発屋……かつて、レイザーラモンHGと呼ばれた男、その人であった。 いや、“かつて”と言っても、芸人を廃業したわけではない。 サングラスを外し、ピチピチのエナメルファッションを脱ぎ捨て、スーツ姿のしゃべくり漫才で「THE MANZAI」(フジテレビ)のファイナリストとなったのが2013年。以降、相方RGとのコンビ“レイザーラモン”は、劇場や地方営業の舞台はもとより、「ENGEIグランドスラム」(フジテレビ)などのネタ番組でも、存在感を増している。 得意の絵では個展を開き、数年前から始めたモデル業も好評。筆者がひそかに“LDHG”と命名した、端正な顔立ちと鍛え上げられた肉体美は、EXILEのメンバーに交じっていても遜色がない。多才かつ精力的な活動ぶりは相変わらずであった。