キンタロー。予想外の義母同居育児──亡き母と愛娘つなぐ、24年越しの“おねだり”
小さな体に似合わぬ大きな顔。日本トップレベルの社交ダンスの腕前に裏打ちされたキレの良い動き。2012年、元AKB 48・前田敦子のモノマネでブレークしたお笑い芸人・キンタロー。(以下、キンタロー)に今年1月、第1子となる女児が生まれた。明るい芸風とは真逆のネガティブな一面を持つという彼女。コロナ禍の中、義母との予期せぬ同居生活を送ったというが、その子育てライフとはいったいどんなものなのか。自身も2人の娘の父親である山田ルイ53世が聞いた。(取材・文:山田ルイ53世、Yahoo!ニュース 特集編集部)
喜びに沸いた“一発会”
「無事生まれました!」 と吉報が飛び込んできたのは、今年の1月下旬。 文字通り“ホカホカ”の赤ん坊の画像がとあるLINEグループに投稿されると、 「おめでとう!」 「落ち着いたらお祝いしよー!」 「やったねキンちゃん!」 と祝福の声が次々と寄せられた。 コメントの主は、レイザーラモンHG、コウメ太夫、ムーディ勝山、テツandトモと、それぞれが時代を彩った面々。もちろん偶然ではない。彼らは2015年春に発足した一発屋芸人が集う懇親会、通称“一発会”のメンバー。その紅一点、キンタローの第1子誕生に、一同喜びに沸いた瞬間であった。 初めての出産に、初めての育児。しかも、コロナ禍の真っ只中で、である。 母となった彼女に聞くべきことはいくつもあったが、筆者がいの一番に口にしたのは、「あのときの“産まれました!”ってヤツ、一発会は何番目だった?」というくだらぬ質問。これには事情があった。 30歳とデビューは遅かったが、ブレークしたのは芸歴1年目と驚異的な速さで売れっ子の仲間入りを果たしたキンタロー。 「同じ釜の飯を食った同期」「切磋琢磨したライバル」といった人間関係を築く期間……“下積み”を経験する暇さえなかったためか、「気がつくと芸人仲間が少なくて寂しかった……」とスケジュールはギッシリだが、心はポッカリという日々を過ごしていた。 「芸人の輪の中に入りたい……」と渇望し、自分の居場所を探していた当時の彼女。 本命の“女芸人会”には残念ながら縁がなく、「全然誘われない……」と嘆いていた折、「スギちゃんが一発会の話をしてるのを盗み聞きして、『私も入れてください!』ってお願いしたんです!」とわれわれの元へやって来たのが、2016年初頭の出来事であった。 以来、顔を合わせるたび、「女芸人会はどうなった?」と老婆心ながら気にかけてきたが、キンタローの返事は毎回「NO」。最近は少々触れづらくなり、婉曲に婉曲を重ねた結果、先述の“一発会は何番目?”に至った次第である。