「もっと誇りに思ってほしい」─自分の“正体”を子供にどう伝えた? レイザーラモンHG夫妻の答え
かくして、“ホットガイ”となったHG。 「令和にアジャストしました!」 とお道化てみせるも、自らを大ブレークへと導いたキャラの根幹を手放したのだ。さぞかし、苦悩や葛藤があったに違いない……と思いきや、「『ハードガイ』とか、プロレス出てたから、『ハッスルガイ』。あと『ホットガイ』」と新しい名前の候補はまさかの3択だったと発覚。 いささか拍子抜けしたが、「やっぱり、HGというキャラクターを愛してるし、これからもそれは変わらない」と抑えきれぬ芸へのこだわりと、「“ホットガイ”にして、不快に思う方が少しでも減るのなら……」という演者としての責任感……2つの想いの交点としては、妥当だったのかもしれぬ。
「TikTok でバズってる」
ここ数年、漫才に注力していたが、改名をピン芸復活の狼煙(のろし)とし、「もう一度しっかりHGをやろう!」と一念発起した2021年。そこへ吉報が舞い込んだ。 「16年前に出演してた、『爆笑問題のバク天!』(TBS系)のロケを、一般の人が(勝手に)ネットに上げてて。それがTikTokでバズってると人づてに聞いた」 実際、動画のコメント欄を眺めれば、「大人になってHG見返したら爆笑した!」「腰振りとフォー以外にも受け答えが面白い!」と絶賛の嵐。 「バク天!」といえば、くしくもHGを全国区に押し上げた出世作……時代は巡る。思わぬ再評価の機運に、早速TikTokアカウントを開設。やってみると、これが面白い。 「流行りの音楽にノッてダンスするのが楽しくて!」 と夢中でため撮りした動画から5~6本を見繕ってアップロードしたまではよかったが、過激なコスチュームと腰振りが、“コミュニティガイドライン”に抵触したのか……全削除の憂き目にあう。 “一発祭り”の件といい、これではもう、HGと言うよりNGだ。 「もう存在自体がダメなのか……」 と気持ちも萎えかけたが、“ホットガイ”……“熱い男”は簡単に諦めない。対(TikTokの)AIとの闘いだと腹をくくると、「画面を6分割にしたり、『ダンス楽しい!』とか『レッツダンス!』っていうテロップを入れたり」と編集・加工を駆使し、見た目の印象を和らげ、下半身の動きはあくまでダンスだと丁寧にアピール。