「親のうんちをチェックして健康状態の確認を」 色とカタチで何が分かる? 専門家が指南「タブー視はもうやめましょう」
80代、90代でがんが見つかると……
もちろん、話し合うのはうんちについてだけではない。その機会に「いざ」というときの治療法などにも触れておくべきだ。 「80代、90代でがんが見つかり、病院で勧められるまま手術を受け、体が弱り認知症が進むと、最期の年月を寝たまま過ごすことになります。そのときにあわてて話し合っても、なかなか適切な判断はできません」 手術をするかしないか。突然病院で問われても、冷静な判断は難しい。 「明確な意思のないまま手術を受け、命は助かったものの体の自由を奪われたり、思っていたよりもはるかに高額の医療費がかかったりすると、納得できません。こんなにみんなに迷惑をかけることになるとは、と苦しんで暮らし、怒ったり、泣いたり、病院にクレームを言ったりします。判断を巡り家族関係にひびが入ることもあるでしょう。そのときにならないと分からないものの、僕自身が80歳を過ぎて末期がんだと分かったら、延命治療よりも残りの時間を充実させる選択をするかもしれません」
ステーキ、ハンバーガーを取ってでも……
できれば人生の最後まで誰かの手を煩わせずに自力で排泄し続けたい。そのためには、なにを心がければいいのか。 「基本はやはり食事、睡眠、運動。生きるとは、食べて動くこと。ウォーキングや軽いスクワットができれば筋肉は衰えないので、まだ自力で排泄もできます」 食事は、たんぱく質を積極的に取りたい。 「中高年が生活習慣病になると、糖質や脂質を減らし、野菜中心の食事を勧められますよね。でも僕は、高齢者には肉を積極的に取ることを勧めています。ステーキやハンバーガーなど高カロリーの食事をしてでもたんぱく質を取って、筋肉量を維持していただきたい。脳卒中のリスクよりも、転倒のリスクのほうがずっと大きいからです」 筋肉量の維持のために、今はプロテインを処方する病院もあるという。 「健康保険の範囲内で、足りない栄養をサプリメントで補えるようになりました。必要な栄養は食事から取るのが理想です。でも、食品だけから摂取する場合、量を食べなくてはいけません。それは高齢者には難しいので、少量で効率よく栄養を取れるサプリの力を借ります。ただし処方されるのはプレーンなプロテインが主。今は市販でおいしく飲めるものも手に入るので、いろいろと試してみてください」