なぜ久保建英はマジョルカ復帰を決断したのか
スペインで3シーズン目に挑む東京五輪代表MF久保建英(20)が、レアル・マドリードからマジョルカへ期限付き移籍することが日本時間12日未明に決まった。 契約期間は来年6月末までの1年間で、久保にとってはスペイン1年目の2019-20シーズン以来、2年ぶりの復帰となる。クラブの公式サイトでホームのエスタディ・デ・ソン・モイシュへ自転車で入ってくる久保の動画を、日本語の「お帰りなさい、タケ!」のテロップとともに公開するなど、マジョルカは早くも歓迎ムードに包まれている。 東京五輪を戦い終えたばかりの久保は、すでに新天地の練習に合流。今週末に開幕するラ・リーガ1部で、マジョルカは日本時間15日未明にベティスをホームに迎える。
過去に所属クラブ選択ミス
3位決定戦でU-24メキシコ代表に喫した完敗と、人目をはばからずに号泣し続けた姿とともに東京五輪を終えてから6日。複数のオファーが届いていたなかで久保が自らの意思で下した決断は、2年ぶりとなるマジョルカへの復帰だった。 2019年6月にFC東京からレアル・マドリードへ移籍した久保は、2019-20シーズンが開幕した直後の同年8月下旬にマジョルカへ期限付き移籍。最終的には35試合に出場して4ゴール4アシストの成績を残したが、チームは19位で2部へ降格した。 1年契約が満了となった久保は再びスペイン国内への期限付き移籍で武者修行を積み、昨シーズンの前半をビジャレアルで、後半をヘタフェでプレー。マジョルカはルイス・ガルシア新監督のもとで2位に入り、1年での1部復帰を決めた。 昨シーズンのラ・リーガ1部5位のレアル・ソシエダも新天地候補にあがったなかで、一時は異なる道を歩んだ久保とマジョルカはなぜ再び交わりあったのか。今年に入ってから久保が残してきた数々の言葉から、答えを読み解くことができる。 まずは1月。シーズンの途中でビジャレアルとの契約を解除し、新たにヘタフェへと加入した異例にも映る決断を下した理由を、久保はこう説明している。 「僕はまだ若いので何よりも出場時間を、自分がサッカー選手であると感じられる瞬間を必要としていました。環境を変えた理由はそれ以外にありません」 ビジャレアルでは昨シーズンの得点ランキング2位タイに入った、スペイン代表ジェラール・モレノが絶対的な存在として右サイドまたはトップ下に君臨。ウナイ・エメリ監督の信頼を最後まで勝ち取れなかった久保は、シーズン後にこう振り返っている。 「スタメン争いに負けたというのもありますけど、自分が思っていた状況とはちょっと違ったというか。自信を持って行きましたけど、結局、自分に至らないところがあった。その意味で見誤ったというか、総合的に自分の選択は失敗だったということです」 そして、まだ記憶に新しい東京五輪を4位で終えた翌日の7日に、久保は自身のインスタグラム(@takefusa.kubo)を更新。そのなかでこんな決意を綴っている。 「この悔しさはこの先何があっても忘れる事はないですが、個人としてもチームとしてももっともっと成長する事で、それに負けないくらいの喜びを今後の代表活動の中で作っていきたいと強く思います」(原文ママ)