なぜ久保建英はマジョルカ復帰を決断したのか
レアル・マドリードのEU圏外枠は今シーズンも、FWヴィニシウス・ジュニオール、FWロドリゴ、DFエデル・ミリトンのブラジル代表トリオと、トッテナム・ホットスパーへの期限付き移籍から復帰したウェールズ代表FWガレス・ベイルで埋まっている。 それでもマジョルカとの期限付き移籍契約には、満了後に優先的に完全移籍へ移行できる買い取りオプションがつけられていない。久保を手放す意思がない証であり、レアル・マドリードの専門メディア『ディフェンサ・セントラル』は、久保をコンスタントにリーグ戦へ出場させる取り決めも契約のなかに含まれているとも報じた。 2024年夏までの5年契約を結んでいるとされる、久保への期待を物語る契約内容と言っていい。しかし、マジョルカの一員として確固たる結果を残さなければ保証されるものではないと、20歳にして勝負の世界を生き抜く久保自身が誰よりも理解している。 「次のチャンスが自分にあれば、今度こそしっかりと勝利に貢献したい」 メキシコに完敗を喫した後に久保は涙をこらえながら、舞台をフル代表の戦いに変えてのリベンジを誓っていた。その脳裏にはすべての面で2年前の自分を凌駕していく、マジョルカでの新たな挑戦が描かれていたはずだ。レアル・マドリードへ帰還する上で背水の陣にも通じる決意を抱きながら、久保は3シーズン目のラ・リーガ1部に臨む。 (文責・藤江直人/スポーツライター)