菅首相は初参加 2年ぶりの党首討論(全文2)政権を代わるしかないと確信
国会を閉じるというのは政治空白
枝野:今、総理がおっしゃられたような支援策が現実に届いてない方からの悲鳴が総理のところには届いてないんですか。もうこの1年、そうした声が本当にいろんなところから届いていますよ。われわれも気付いていない声がたくさんあって、われわれもまだまだ現場を知らないと反省する日々です。残念ながらそうした皆さんに対するメッセージになっていませんでした。 補正予算を国会でちゃんと議論していくことを加えて、今後、感染症対策のため新たな立法が緊急に必要になる場合も想定されます。1月の特別措置法改正のときのように、われわれは必要があれば全面的に協力する用意があります。でも国会が閉じていたら協力のしようがありません。今日も明確なお答えいただけなかった緊急事態宣言の解除、オリンピック・パラリンピックの対応、さらにはワクチン接種、さらに本当に計画どおりいくのかどうかなど、日々変化していく事態に、国会における国民に開かれた議論の必要性は高まっています。 加えて、与野党間で内容的には合意されている、いわゆるLGBT法案もあります。オリンピック憲章にかなうためにも、今国会中の成立が求められています。多くの皆さんが期待されています。国会の閉会を言い訳に先送りするべきではないと私は強く思います。 総理、まさに国会を閉じるというのは政治空白ですよ。国会を大幅延長して、その国会の機能を十分に発揮させ、国会を挙げて新型コロナウイルス感染症という国家の危機に立ち向かいましょうよ。私たちは協力できるところは協力してきているつもりですし、これからますますいたします。これは国会としての使命だと思います。国会延長を決断できるのは最大与党の党首である総理だけです。延長して、国会として国民の期待に応えようじゃありませんか。いかがですか。 大塚:菅総理大臣。
国会のことは国会で決めていただきたい
菅:国会のことは従来どおり国会で決めていただきたいというふうに思います。そういう中で今、残っている法案、国会に提出した法案をぜひ会期内に成立をさせる、それが政府の今の立場であります。 大塚:枝野代表。 枝野:私は東日本大震災と原発事故のあった2011年の通常国会、菅総理の下で70日間という長期延長をして、野党・自民党の意見も伺いながら対応に当たりました。大変貴重なご意見をさまざまいただきながら進めることができました。仮に解散総選挙をしても、1カ月半ほどで国会は開きます。でも今、国会を閉じて、巷間言われているように、パラリンピック後まで国会を開かないということは、その2倍以上の政治空白をつくることなんだということを申し上げておきたいというふうに思っています。 最後に申し上げたいと思います。私は昨年3月4日の与野党党首会談の際に、当時の安倍総理に提案して以来、国会論戦などを通じて繰り返し行政の司令塔を明確にするよう要請してきました。残念ながら今なお、厚労大臣と西村担当大臣、さらにはワクチン担当大臣まで加わって、官房長官を含めて司令塔がますますはっきりしない状況です。生活支援や事業支援も各省ばらばらで、リーダーシップや総合調整機能が発揮されない。その結果としてGo Toキャンペーンのように、趣旨は分かりますが、感染状況とずれた対応策が取られたり、先ほど申したとおり、つぎはぎだらけで隙間からこぼれ落ちてしまっている人たちがたくさんいる不十分で使い勝手の悪い支援策、さまざまな弊害をもたらして、感染症対策を迷走させてきた原因は、その1つはここにあると思っています。 私は東日本大震災と原発事故の記憶も踏まえ、総理大臣、官房長官、厚生労働大臣、このラインを明確にすること。省庁にまたがる問題は官房長官と内閣官房こそが本来その調整の権限も能力も持っているんです。ここが責任を持って迅速に総合調整できる強力な司令塔を構築します。各省や自治体が最大限の力を発揮できるよう、ミッションを明確にするとともに、政府からの主要な発信を総理と官房長官に集約して、あっちの大臣とこっちの大臣で違うことを言っててなんなんだと、何度もわれわれはそういうことを経験しました。そういうことを最小限に抑えます。 より多様な声が反映されるように、専門家会議を整理、再編して、その役割、権限を明確にします。何よりもまず専門家会議の結論、議論を伺った上で方針を立てる。基本的な方針が固まってから専門家会議にご意見伺うとは順序が逆だと私は思います。そこを転換します。