売上UPの秘訣は商品の魅力を伝える「コンテンツ力」。ヒットを飛ばし続ける集英社のECサイト「ハッピープラスストア」の戦略とは
EC業界で活躍する“人”にフォーカスし、個人の功績や活躍を表彰する「ネットショップ担当者アワード」で、ロールモデルとなり得る人物を選出する「ベストパーソン賞」に、集英社のブランドビジネス部 部長 兼 第10編集部 部長の湯田桂子氏を選出した。「コンテンツ力」「データを活用した『届ける力』」を掛け合わせ、EC事業でヒット商品を創出し続けていることが受賞理由。湯田氏は長きにわたって集英社で複数の雑誌編集長を歴任、編集部の部長も務め、2022年12月から通販事業を担当するブランドビジネス部の部長を兼務している。EC事業でも成果を出すための、出版社ならではの独自戦略や、EC業界で求められる人物像を湯田氏に聞いた。
独自商品でほかのファッションECと差別化
■ 「ここでしか買えない」付加価値を意識 集英社のECサイト「ハッピープラスストア」の売上高は堅調に推移しており、2023年5月期のEC事業売上高は前期比11.5%増の58億円。サイトリニューアル以後、「ここでしか買えない商品」を合言葉に取扱商品の方針を見直し、コラボ商品や別注商品といったオリジナル商品を強化したことが寄与している。
雑誌制作で培ってきた「読者の好みと心理をよく理解する」というノウハウを商品開発にも応用。顧客の心理を想定したオリジナル商品の開発が、「ここでしか買えない」という希少価値を生み出している。
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どこでも買える商品だと価格競争になってしまいます。集英社は出版社でコンテンツメーカーでもあります。コンテンツを増やすという感覚で、通販事業においてもコンテンツで勝負していると思っています。(湯田氏)
└────────── ■ おしゃれ感+体形カバー力に優れた「イーバイエクラ」が人気
「ハッピープラスストア」の主要顧客層は30代~50代女性で、「イーバイエクラ」「トゥエルブクローゼット」「エムセブンデイズ」「スアデオ」のオリジナル4ブランドが柱。これまで、この顧客層が満足できる品ぞろえや商品開発にこだわってきた。