売上UPの秘訣は商品の魅力を伝える「コンテンツ力」。ヒットを飛ばし続ける集英社のECサイト「ハッピープラスストア」の戦略とは
┌────────── 第10編集部は、「紙・Web・通販の三位一体」が合言葉になっているくらいの意識で取り組んでいます。ECサイト「ハッピープラスストア」ではコマースメディア室の担当者が、ヒット品番ばかりを集めた「スタンダードブック」という通販カタログを制作。それを顧客に送付することでコンバージョン率のアップやヒット商品の創出につなげています。(湯田氏) └──────────
一方、「スタンダードブック」は紙媒体ならではの難しさもある。通販事業者が発行する通販カタログでも同じことが言えるが、カタログ向けの商品開発は、10か月から1年前に準備するため、気温や環境、流行などを事前に予測するのが困難となる。 商品を作り込んだ後、誌面向けに撮影を行い、誌面内容を編集してからカタログを印刷するという、時間がかかる手順を踏むからだ。たとえば暖冬は、冬物のコートのような重衣料の売り上げに当然影響してくる可能性が高い。誌面発売のタイミングで気温が例年よりも高いと、厚手のコートを訴求しても売れないからだ。 その反面、仮説が当たったとき――つまりは、発行タイミングのニーズにぴったり合う商品を訴求でき、売り上げにつながったときの喜びは大きいという。 ┌────────── 「通販カタログ用に撮影した新商品が売れない」という状況に陥ってしまえば大損害が想定されるので、鷹揚(おうよう)な気持ちではいられません。雑誌誌面とは違う点ですね。売れるように仮説を立て、カタログの発行まで慎重に取り組んでいきます。仮説が当たっているかどうかは、発行まではわからないという難しさはありますが。(湯田氏) └────────── 商品の売れ行きが不調なときは、社内のマーケターやMDが一丸となって挽回し、当初の売上計画に追いつくため手を尽くす。湯田氏は、そのスピード感の速さに、ECビジネスならではのやりがいを感じているという。