見どころたくさん!東京・玉川上水をたどるハイキング④拝島から羽村取水堰へ
玉川上水沿いから離れて町歩き
みずくらいど公園からは玉川上水沿いの緑道はなくなり、玉川上水に近づいたり離れたりしながら市街地の車道歩きとなる。五丁橋で左岸に渡り、立体的なY字路を左へ曲がる。
この立体的なY字路は、高低差の違いを体感できるスポットである。先ほどの標高色分け地図を再び確認してみよう。 玉川上水はちょうど五丁橋あたりで段差にぶつかり、みずくらいど公園の東に抜けていく。この段差の乗り越えは、玉川上水全体の中でも核心部分の一つであると思われる。玉川上水駅付近では国分寺崖線(こくぶんじがいせん)の段差を完全によけるライン取りだったが、この部分は、いってみれば段差に突っ込んでいるわけである。この段差乗り越えの場所選定や角度の見極めは、極めて重要だったはずだ。
高台のへりに近づく
五日市線の熊川(くまがわ)駅手前にある山王橋から脇道に入り、新奥多摩街道に出る。熊牛(くまうし)会館前交差点で左折し、ほたる通りから今度は奥多摩街道へ。奥多摩街道は高台のへりを通っているので一部見晴らしがよく、奥多摩の山並みが見えた。久しぶりに山を目にして、なんだかほっとする。 高台の下にはほたる公園があるのだが、高台上部からの高低差が結構大きい。こういった高低差は、平面の地図ではなかなかわからず、実際に歩いてみて初めてわかることが多いからおもしろい。 やがて立派な親柱の牛浜橋(うしはまばし)を横目に牛浜の交差点を過ぎる。この一帯には「熊川」や「牛浜」など動物の名前の地名が続くが、なにか理由があるのだろうか。
その後玉川上水は奥多摩街道に沿う形となり、熊野橋で歩道橋に上がると、奥多摩の山並みの見晴らしがいい。そしてこの熊野橋付近も、地形観察ポイントだ。 写真左手に見える緑地は中福生(なかふっさ)公園で、写真ではわかりづらいが窪地になっている。真ん中に通る道路が段差のへりの部分なので、玉川上水は高台のへりギリギリを通っているのである。 中福生公園を過ぎ、清巌院橋(せいがんいんばし)からは玉川上水を離れて車道を進む。福生駅への分岐交差点に来ると、再び左側に玉川上水が近づく。