見どころたくさん!東京・玉川上水をたどるハイキング④拝島から羽村取水堰へ
かつて江戸市中を潤した玉川上水。400年近くもの時を経た今では緑道が整備され、豊かな自然が保たれている。町並みや移ろう自然風景だけではなく、近現代の遺構や技術の結集も点在しており、いろいろな発見や学びが得られるのもおもしろい。
ここは溪谷の遊歩道?
玉川上水をめぐるハイキングもいよいよ最後の区間となる。今回は、前回の区切りポイントであった拝島駅からスタート。
拝島駅前から車道の脇道に入り、日光橋へ。かつて八王子と日光を結んだ日光脇往還が通っていたことから、その名が由来するという。説明板によると、福生(ふっさ)市の登録有形文化財になっていて、国内に現存する最古の道路レンガアーチ橋とのこと。遠くからのぞいてみると、確かに橋の下にレンガのようなものが見えた。 国道16号の陸橋をくぐり、日光橋公園の横から右岸沿いに緑道が続く。このあたりは両岸に斜面が迫っていて、溪谷のせせらぎのような雰囲気。ただし、この"溪谷"は水の流れが作ったものではなく、人の手によるものだが・・・。
不思議な名前の公園の正体とは
八高(はちこう)線の線路をくぐると、擬木の階段があった。ここまで歩いてきて、トレイル上の階段はかなりレア。一歩一歩味わいながら上がっていく。 階段を上がると、十字路の分岐がある「みずくらいど公園」の一角に出る。「みずくらいど」という変わった名は「水喰土」という漢字表記で、水が吸い込まれる土という意味のようだ。分岐をまっすぐ行くと、福生市指定史跡の玉川上水の開削工事跡がある。工事跡といっても、周辺は草や木が生い茂っており、どこがその工事跡なのか場所が少々わかりづらい。
この工事跡、玉川上水を通そうとしたが失敗したラインだったとのこと。標高色分けの地図を見てみると、みずくらいど公園付近には南北に段差の筋が走っている。この付近は、玉川上水が段差を乗り越えるポイントとなっており、ここの掘削はかなりの難工事だったに違いない。段差を乗り越えた後、水を通すためにかなり大がかりに掘り下げたはずで、その結果、日光橋公園あたりは溪谷のような雰囲気となっているのだと思う。