見どころたくさん!東京・玉川上水をたどるハイキング④拝島から羽村取水堰へ
羽村橋の横を過ぎ、ついに羽村取水堰に到着。取水堰を見下ろす広場には、玉川上水開削に貢献した玉川兄弟の像とあずまやがある。ロードバイクで訪れる人もちらほらいたので、サイクリストの目的地にもなっているのであろう。 これまで歩いてきた玉川上水とは規模が違って、多摩川は広々として開放的だ。この日は水量も多くなく、非常に穏やかな雰囲気であった。取水堰の下流部には緩やかな段差がいくつもつけられていて、段差の小さな吹割(ふきわれ)の滝のようだ、とは言い過ぎか。
さてこの羽村取水堰だが、通常時は投渡堰(なげわたしせき)によって堰き止められた多摩川の水は、第1水門からいったん調整池のような場所に流れ込む。そしてそこから第2水門を通った水は玉川上水へと流れていき、小吐(こはき)水門からは多摩川へと放流される構造となっている。 そして多摩川の水位が上がった場合は、投渡堰の一部が取り払われて流されるという。この技術は、玉川上水ができた時から現在まで継承されているというから驚きである。
長いようであっという間の玉川上水ハイキングも、ひとまずここで終了。浅間橋からここまでの行程を思い出しながら、しばし広場にて静かな時間を堪能した。名残惜しくも車道への階段を登り、すぐそばにある玉川水神社へ向かった。ここには玉川上水を管理していた羽村陣屋があったということで、古めかしい門のみが残っている。
ちょっと寄り道
玉川水神社を後にして、第3水門を見下ろす高台に向かった。第3水門から延びるまっすぐな道を確かめようというわけだ。 高台に上がると、児魂(こだま)神社があり、その脇の道がまっすぐに延びていた。これが、(仮称)羽村・山口軽便鉄道が通っていた跡で、この下に第3水門からの水道管が村山貯水地(多摩湖)まで通っているのだ。 上水路のつながりにニッチな納得感を得た後、羽村堰入口交差点に戻る。立派な稲荷神社の脇の坂道を登り、鎌倉街道が通っていたという細い路地を抜けて羽村駅に着いた。