なぜ森保Jはメキシコに0-2で敗れたのか…「メキシコは日本がお手本にすべきチーム」
後半開始直後に立て続けに2発を叩き込みながら、2人同時の選手交代で息を吹き返したベルギー代表に押し込まれ、最終的にはアディショナルタイムに喫した悪夢の逆転ゴールに涙する。スコアこそ異なるものの、選手交代を介して流れが一変したロシアワールドカップの決勝トーナメント1回戦に酷似していたからこそ、原口はネガティブな意味でのデジャブを覚えた。 ロシア大会後に船出した森保ジャパンでキャプテンを担ったDF吉田麻也(サンプドリア)も、ベルギー戦の延長線上にメキシコ戦を位置づけた上で、前日のオンライン取材で「試合の流れを読みながら状況を判断して、自分たちにとってベターな方向に軌道修正する」とテーマを掲げていた。 ならば、メキシコ戦の後半でどのような軌道修正をすべきだったのか。2年前のベルギー戦で先制ゴールを決めている原口は「判断は難しかった」と前置きしながら、こんな言葉を残している。 「流れが悪い時間帯だったので、引いてもいいと思うんですけど。前半はメキシコも上手くいっていなかったけど、行けると僕たちが思った矢先にすごくいい修正をしてきた。したたかさというか、自分たちが求めていることをやられてしまったし、僕たちは修正力を出せなかった。その差だと思う」 一度リセットした上で、鎌田へのホットラインを封じられた状況への善後策を講じる。しかし、原口らが思い描いたプランを具現化させるために必要な、ゲームコントロール役がピッチ上にいなかった。ボランチの柴崎岳(レガネス)が、後半12分にベンチへ下がっていたからだ。 同じボランチでもパスの配球に長けた柴崎に代えて、ボール奪取に長けた橋本拳人(ロストフ)を投入。デュエルで強さを発揮する遠藤航(シュトゥットガルト)と並べたのをはじめとする選手交代の意図を、森保一監督は「チームを活性化させるためだった」と試合後に明かしている。 「プレー強度が高いなかで戦っているので、流れのなかで攻撃のギアを上げていけるように、ボールを握ったときに相手の強いプレッシャーをかいくぐってチャンスを作るためにカードを切りました」