交渉舞台裏…なぜ堂安律は森保Jに合流できなかったのか?
オーストリア第2の都市グラーツで9日から合宿を開始する日本代表に招集されていた、MF堂安律(ビーレフェルト)が不参加となることが7日、日本サッカー協会(JFA)から発表された。 初日直前で不参加となった理由を、JFAはリリースのなかで「クラブ事情のため」と説明している。ビーレフェルトは5日に日本代表メンバー24人が発表されたことを受けて、日本時間の同日深夜に堂安の派遣を拒否すると、クラブの公式ウェブサイト上で表明していた。 ヨーロッパ中で新型コロナウイルス感染が急速に再拡大している状況を受けて、オーストリア全土では夜間の外出禁止などを含めた、部分的なロックダウンが3日から今月末まで再導入されている。ドイツから見てグラーツが感染リスクの高い地域に当たる状況から、ビーレフェルトのサミル・アラビ・ゼネラルマネージャー(GM)は堂安の派遣拒否を決断したとサイト上で明言していた。 「代表に招集された選手たちはドイツ国外のリスク地域に行くため、ビーレフェルトに戻ってから5日間の隔離措置が求められる。このため各当局と確認および協議した結果として、クラブとして選手たちの派遣を断る決断を下した。選手たちにもすでに伝えていて、理解を示してくれている」 選手たちとしているのは、堂安以外にMFヨアン・シムン・エドムンドソンがフェロー諸島代表、FWセルヒオ・コルドバがベネズエラ代表、DFアンデルソン・ルコキがアンゴラ代表、MFセビオ・スクがベナン代表にそれぞれ招集されているためで、全員が代表不参加になるとしている。 国際サッカー連盟(FIFA)は年間に5度定めている国際Aマッチデーで、各クラブは各国サッカー協会から招集された選手を派遣する義務があると規定している。しかし、アラビGMは新型コロナウイルス禍において「感染リスクのある地域に関しては、クラブに選手を派遣する義務はなくなった」とFIFAの規定が変わったことも強調していた。