PK奪取のキラーパスを通した久保建英は1-0勝利のパナマ戦で「爪痕を残すこと」ができたのか?
利き足の左足でトラップしたときにはすでに、MF久保建英(ビジャレアル)は半身の体勢から素早く前を向き、相手ゴールへ向けて加速していた。前半から狙いを定め続けたパナマ代表のセンターバックとボランチの間に、味方から思い描いていた通りの縦パスが入った直後だった。 間髪入れずに視界の右から左前方へ、相手の最終ラインの背後へと駆け抜けていくMF南野拓実(リヴァプール)の姿が飛び込んできた。日本代表を1-0の辛勝に導いた後半16分の決勝点は、久保の絶妙のスルーパスに反応した南野が相手GKルイス・メヒアに倒されて獲得したPKを、南野自身が決めてもぎ取った。 オーストリア・グラーツのシュタディオン・グラーツ・リーベナウで、日本時間14日未明に決着した国際親善試合。待望の先制点を手繰り寄せたスルーパスを「チームの助けになるという意味で、自分が起点になってPKを取れたことはよかった」と振り返った久保は、センターサークル内から非の打ちどころのない縦パスを通したボランチ遠藤航(シュトゥットガルト)と南野に感謝した。 「相手もしっかりプレスに来ていましたけど、ちょっと判断の緩みがあったというか。そこで遠藤選手から自分が受けたかった位置に素晴らしいボールが来て、前を向いたときに南野選手のいい動き出しが見えたので、あとは自分がパスを流し込むだけでした」 日本が1-0で勝利した10月13日のコートジボワール代表戦から、森保一監督は先発を7人も入れ替え、主戦システムの[4-2-3-1]からほとんど練習していない、不慣れな[3-4-2-1]に代えて臨んだ。案の定と言うべきか。日本が前半に放ったシュートは2分のMF橋本拳人(ロストフ)、7分の南野とわずか2本に終わった。 「特に前半はスムーズにいっていない感覚がありましたけど、メンバーを入れ替えて、違う形でやって最初から上手くいくとは思っていません。4バックで入ればという意見もあるかもしれませんが、いまはあえてトライして自分たちの選択肢を広げている段階なので、悲観する必要はないと思います」