今日フィギュアFS!「急成長と安定感」鍵山優真と「4回転ジャンプ5本投入」宇野昌磨の逆転金メダルの可能性は?
チェンに対抗すべきプログラムを用意しているのが宇野だ。同じく4種類5本の4回転ジャンプを組み込んだ難度の高い構成。 4回転ループからスタートして、4回転サルコー、4回転トゥループ+3回転トゥループの連続ジャンプ、3回転アクセルで前半を終え、後半には、4回転フリップ、4回転トゥループ+2回転トゥループの連続ジャンプ、3回転アクセル+1回転オイラー+3回転フリップの3連続ジャンプを入れた。得点が1.1倍となる後半に2本も4回転ジャンプを入れるのはチェンよりも難度が高い構成で、すべてをノーミスでクリアすれば、予想得点は240点を超えてくるが、チェンの244点には届かない。しかも8.07点の差がある。 SP後の公式会見で宇野が「おそらく、全選手が完璧に演技したネイサン・チェンに点数でおよぶことはかなりむずかしい。まだ実力が(チェンに)届いていない」と語った理由はこういうことなのだ。しかも、宇野自身も、このプログラムをノーミスで滑ったことは過去に一度もない。「完璧にできる確率は相当低い」との自覚もあるが、こうも語っていた。 「失敗しても成長できる演技をしたい」 攻める気持ちは失っていない。 5本の4回転ジャンプには失敗のリスクがあるが、そのリスクを背負うのはチェンも同じ。4回転ジャンプの複数のミスは、演技構成点への評価にも影響し、10点を超える大量失点につながる。チェンも今季のFSのベストは200.46しかマークできていない。 あくまでも他力本願となるが、チェンがミスをして、宇野がノーミスで滑り切れば、逆転の可能性が出てくる。宇野のプログラムには、そのポテンシャルがあるのだ。 しかも、団体戦でミスしたスピン、ステップのレベルの取りこぼしをきっちりと個人戦では修正してきた。団体戦と同じプログラムで、連続ジャンプで手をつきながら、自己ベストを更新したのは、レベル3だったスピン、ステップがレベル4になったことが影響している。 その修正能力の高さは、「今年は成長の実感がある。試合が練習に生き、練習は試合に生きるものにしたい」との意識の持ち方が生んだものだ。 FSで奇跡の演技をするバックボーンは整っている。