フィギュア団体で鍵山と樋口が衝撃の五輪デビューを飾れた理由とは…見えてきた初のメダル可能性
北京五輪のフィギュアスケート団体戦の女子シングルSPと、決勝に進んだ5チームの男子シングルFSが6日、北京の首都体育館で行われ、日本がメダル圏内の3位をキープした。樋口新葉(21、明大)がノーミスの演技で74.73の高得点で2位に食い込み、4種目の合計で決勝進出を決めると、鍵山優真(18、オリエンタルバイオ・星槎)は、五輪用の新プログラムに挑み、着氷に乱れたものの初めて4回転ループに成功、自己ベストの208.94点をマークしトップになった。2人は共に五輪デビュー戦。なぜプレッシャーに打ち勝ち素晴らしい演技を見せることができたのか。
樋口が3回転半を2回転半に変えノーミス演技
先陣を切ったのは21歳の樋口だ。 決勝進出をかける重要な役割を任された樋口は、この日の朝になってひとつの決断をしていた。本来のSPのブログラムでは冒頭に入れていた3回転アクセルを2回転アクセルに変える決断だ。 「こっちに来てからアクセルが全然だめだったので迷わないようにダブルと決めました」 余裕をもって2回転アクセルを着氷すると、バラード調の「ユア・ソング」のボーカルに合わせて観客に訴えかけるように、表現力豊かに可憐にスケートを滑らせ、3回転ルッツ+3回転トゥーループの連続ジャンプ、3回転フリップを完璧に決めてみせた。心のこもったノーミスの演技。ステップ、スピンもすべてレベル4と評価された。 3回転アクセルを温存して74.43の高得点で暫定1位。樋口の自己ベストは昨年11月にチャレンジシリーズのオーストリア杯で出した79.73だが、もし3回転アクセルに成功していれば、基礎点だけで4.70プラスだから、自己ベスト更新につながっていたのかもしれない。 樋口の後に演技した女子シングルでの金メダルが確実視されているカミラ・ワリエワ(15,ROC)には及ばなかったが2位に食い込み、9ポイントをゲット。日本の3大会連続となる決勝進出に貢献した 「すごく緊張していて練習でも上手くいかないことの方が多かったけど、試合では落ち着いて滑れたのでほっとしています」 フラッシュインタビューでも笑顔が出た。