今の能登を知り、これからの能登を考えよう!「ESqUISSEコラボレーションチャリティイベント NOTO NO KOÉ」をレポート
このイギスもアカイカと同じ能登町 鵜川、日之出大敷 5代目網本の洋助さんが届けてくださったものです。 3月の上旬にリオネル・ベカが能登を訪問し洋助さんを訪ねました。石川県の漁協は1600人漁師が登録されており、800 人は輪島港で働いていらした。今回は残念ながら海岸が隆起して輪島より以北は漁に出られなくなってしまいました。 鵜川は海岸の隆起が見られなかったため、1月8日から漁を再開したそうです。氷見まで氷を取りに行き、漁をしたとの ことです。
(リオネル・ベカシェフより) フランスの田舎の料理、庶民の料理によくみられる豚肉と豆の組み合わせ。フランスの歴史を振り返るとこの2つの食材によって人々が生き抜いてきたことがわかります。質素でありながら力強い一皿となっています。時に私たちは食べるものによって生かされていることを忘れがちです。
今回池端さんと平田さんが震災直後から行ってきた炊き出しのことを伺って考えました。肉は能登と富山の境にあるぶーぶーファームさんの放牧豚を使っています。ロース肉は風にあてて水分を飛ばし、味噌、ハチミツ、マスタード、お酢でマリネし、仕上げにしっとりと焼きあげました。コンディモンはプルーンとヘーゼルナッツを使ったペーストを添えております。蕪は蕪のジュースで火を入れ、仕上げに表面を焼きあげました。ソースは焼き汁に煮詰めた能登のやまぶどうジュースを加えて味を調えております。仕上げに能登の実山椒で軽く香りを加えた、能登島、高農園のフレッシュなハーブをあしらっています。
(平田シェフ、池端シェフより) イメージは懐かしさ、郷愁。昔はよく食べられていたイタドリ。食べたことがない人にもどこか懐かしさを感じるような香りと酸味が特徴的だと思います。日本の田舎の原風景が想起できるようなものに仕立てました。
(リオネル・ベカシェフより) 能登からインスピレーションを得たデザートです。能登半島のジオグラフィー、そこに生きる人々の自然、その気高い美しさ、奥深さの中に見え隠れする希望の光。本質的なものははかないものの中に宿るという日本の美意識を表現しました。小豆と米という日本の食文化に欠かせない2つの食材を使っています。リオレはお米をミルクで炊いたライスプディングです。フランスではとてもポピュラーな家庭のおやつです。
本日は酒粕とともにアイスクリーム仕立てにしております。隣に添えているのはナツメグの香りのシャンティクリーム。上にのっているのがカシスのチュイール。カシスの酸味をアクセントとして召し上がっていただくデザートです。赤い器は赤木明登さんの能登鉢です。これは元来、托鉢に使う鉢のようです。そして非常に柔らかな口触りの黒いお匙がありますがこちらも赤木明登さんの平匙です。お寺で修行されている皆様が朝食を召し上がる際、1つだけ使用することを許されたカトラリーということです。
文:高橋綾子、食べログマガジン編集部 写真:お店から