今の能登を知り、これからの能登を考えよう!「ESqUISSEコラボレーションチャリティイベント NOTO NO KOÉ」をレポート
(北崎シェフより) 赤木さんが毎朝歩いている山道を行くと、ある高度を超えると土の色が真っ赤に変わります。これは能登の山のあちこちで見られる特徴的な光景です。豆は、平田さんの持っていた「かわち豆」と呼ばれる在来の黒豆と、杣径に少し残っていた珠洲の金時豆を合わせて使っています。その道のかたわらに育つわらびと土を作る作物と言われる豆の煮汁を合わせたスープです。山歩きの気分と土を感じる味を目指しています。
(リオネル・ベカシェフより) この料理は能登の人々へのオマージュです。先ほどの烏賊と同様に、シンプルに素材を提示しています。一つひとつの野菜のアイデンティティを失わないように、別々に調理しました。眺めているだけで希望の言葉が聞こえてきそうな一皿です。野菜はすべてが能登からではないのですが、使っているハーブはすべて能登から届いたものです。大きな黒いお皿は赤木明登さんによる輪島塗のお皿です。
(池端シェフより) 1988年から輪島の門前町で七面鳥を育てている大村さんは72歳、飼育施設も大きな被害を受けたのにもかかわらず「必ず復活する」と熱いパッションを語ってくれました。七面鳥に合わせる干ししいたけは冬の間にみんなで摘んで干した原木しいたけ「NOTO115」。
地震の揺れとエネルギーでスイッチが入ったようで、この春ものすごい勢いで大量のしいたけが出現し、それを4月位まで干して、今回持ってきました。この料理には大村さんのパッションや、能登の土地の強力なエネルギーが静かに宿っています。 レジリエンス:負の力をポジティブに変換する力強さを表しています。
(平田シェフより) イメージは「自然の脅威と美しさ」。町や道路、人が何世代にもわたって創り上げてきたものがたった1分間の地震で破壊されました。山も崩れ、海岸も隆起し、今までの景色がそこにはありませんでした。自然の脅威を感じた1月が過ぎてから、空いた時間に山に入りました。倒れた木の隙間を縫って森に入ると、そこには今までと変わらない森の景色がありました。