将来の自分のために「逆算」する。行正り香さんが「終の棲家」に求めた条件とは?【行正り香さんにきく〝50代。これからの住まい〟に思うこと〟⑥】
料理家、インテリアデザイナー、さらに子どもの英語教育など、さまざまな分野で長年活躍している行正り香(ゆきまさりか)さんは、いつも少し先の自分を思い描きながら行動してきたそう。20年以上前に未来の理想から「逆算」して選び抜いた家に、50代の今も愛着を持って暮らしている。
「生涯現役」という夢をかなえたい
「私も50代後半になりました。『生涯現役』をモットーに生きてきて、おかげさまで今も好きなこと、興味があることを仕事につなげつつ、日々楽しく、忙しくしています。 ずっと心がけてきたのは、常に『逆算』しながら物事を決めるというスタンスです。人生のような大きな時間軸であれ、我が家のインテリアであれ、料理であれ、大枠の目標や理想を決めたうえで、まず何から手をつけたらいいのかを考えてから、行動に移すようにしています。 もちろん、人それぞれ、さまざまな生き方や考え方があると思いますから、あくまでも参考までにということで、具体的な私の『逆算』方法の一例をお話ししますね。
この連載の第1回~第5回では、自宅をご紹介しました。 今回、撮影チームの皆さまにお越しいただいたのは、私がスタジオと呼んでいる仕事場です。といっても、自宅と同じマンション内にあり、友人を招いて気軽な食事会をしたり、時には泊まっていただいたりもする別宅です。 自然光を入れて空間を広く見せるためにも、友人とおしゃべりしながら料理をするためにも、自宅同様、オープンキッチンにしています。 基本的にノートパソコンさえあれば、いつでもどこでもそこが『仕事場』になる私ですが、この別宅では仕事について考えたり、試したりする時間が長いので、自分のなかで一応スタジオと位置づけています」(行正り香さん)
後から変えられないものを熟考して決める
「なぜ自宅と同じマンションに別宅を持ったかといえば、自宅を購入する際、『この家を終の棲家(ついのすみか)にする』という強い思いのもとに、将来設計を描き、さまざまな条件と照らし合わせて選び抜いたからです。 そして、購入してからもうずいぶん長い時間がたちますが、今も、とても気に入っています。 終の棲家を選ぶ際に重要なのは、後から絶対に変えることができない希望条件を、まず決めること。その中で、私が最も重要と考えるのは立地です。内装はいざとなれば、後からでも変えられます。でも、立地は変えられません。
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