大阪市は現在、大阪府などに発令されている緊急事態宣言の措置に伴い、酒類を提供する飲食店に対して大阪府の協力金に加え上乗せ分を支給し、それらの店舗に酒類を販売する酒類販売事業者に対して、支援金を大阪市独自で支給すると発表した。大阪市の松井一郎市長は同日行われた定例会見で「大阪の食を支えてきた中心的な役割をしていただいているところからは本当に継続が厳しいという声も届いており制度を構築した」と話している。 【中継録画】大阪市・松井市長が定例会見 職員の説明を聞き「それはあかんぞ」と発する場面（2021年4月30日）

酒類提供を主として営業している一定規模以上の飲食店に支援

[写真]報道陣の質問に答える大阪市の松井一郎市長＝30日午後、大阪市役所で

　発表によると、今回の緊急事態宣言により、酒類を提供する飲食店は休業、提供しない飲食店は午後8時までの営業を大阪府から要請されており、酒類提供を主として営業している一定規模以上の飲食店が厳しい状況となることから、こうした支援を行うことを決めたとしている。

対象となる店舗は

[画像]大阪市が発表した「酒類提供飲食店への支援について」の資料（大阪市公式サイトから）

　対象となるのは、緊急事態措置期間に、大阪府営業時間短縮協力金の給付を受けていること、売り上げに占める酒類の割合が20パーセント以上であること、一日の売り上げが10万円を超えていることとなっており、支給金額は一日1万円から最大2万5千円。これにより、大阪府の協力金と合わせて売上の50パーセント相当を支援できるとしている。 　申請に必要な書類は売上に占める酒類の割合がわかる売上台帳や仕入表等の会計資料、レジの記録などとなっていて、大阪府の協力金と合わせて実施するため、詳細は決定次第ホームページで周知する。

酒類販売事業者への支援も実施

[画像]大阪市が発表した「酒類販売事業者への支援について」の資料（大阪市公式サイトから）

　また、飲食店などに酒類を販売する「酒類販売事業者」への影響は一層、厳しい状況となることから、そうした事業者に対する支援も実施。対象となるのは、売り上げの減少で国の支援金の給付を受けていることなどで、中小法人に10万円、個人事業者に5万円をそれぞれに支給する。 　こちらも申請方法や受付開始日などの詳細は、後日、ホームページで周知するとしている。

「お酒の売り上げが一定程度以上のところにたいして上乗せ支援をしたい」

[画像]大阪市の「大阪府営業時間短縮協力金に関するコールセンター」「酒類提供飲食店への支援」「酒類販売事業者への支援」などの問い合わせ先一覧（大阪市公式サイトから）

　今回の決定に、松井市長は「各お店からは休業をせざる得ないという　長引くコロナによって自由に営業ができていない状況で死活問題、継続が厳しいという声も届いています。店の規模によってちがいますが、大阪の食を支えてきた中心的な役割をしていただいているところからは本当に継続が厳しいという声も届いてますんで、今回、お酒を出さないでくれというお願いをしているところから、お酒の売り上げが一定程度以上のところにたいして上乗せ支援をしたいということで制度を構築しました」と説明した。