IOCバッハ会長と組織委・森会長が会見(全文3完)道具箱のふたは閉めない
パートナー企業の不安をどう払拭するのか
司会:ありがとうございます。それから、NHKの今井さんから日本側への質問です。会長もしくは武藤総長。東京大会を支えるパートナー企業は今年12月末に契約期限を迎えます。企業の一部はコロナ禍において大会開催の確実性に対する不安や、大会をサポートすることから得られるメリットが見えづらいことを心配しています。IOCはこうしたパートナー企業の不安をどのように払拭しますか。ごめんなさい、IOC宛てのご質問でしたが、国内パートナーに関する質問ですので、日本側から回答させていただきたいと思います。 森:率直に申し上げて、NHKらしくない質問をされたんだなと思って、あのニュースを見て驚きました。パートナーの企業、全て60と確かおっしゃられましたが、皆1つの、経営を努力しておられる方々です。全社員に聞いたわけでもありませんし、役員の皆さんにも数人、複数に聞いたわけではないんでしょう。誰かがそれを話す、たまたま役員がいたのかな。なんだろうと思いますが、その人の個人的感情があったかもしれません。 何かメリットがありましたか。あったよ、というようなことを、すぐ期待をしてスポンサーになっているだけじゃないんじゃないでしょうか。やはりオリンピックに共感をしているし、少しでもお手伝いができればという気持ちもあったと思うし、その結果、スポンサーになることによって、社会から大きく企業としての存在を認めてくれる、あるいは評価してもらえるということも期待できるからだと思います。
NHKらしくないと思う
今の時点で延長したらプラスありますか、どうですか、なんて聞かれたら、誰だってお金を出さなきゃならん企業の立場でいえば、ボーナスを半分にするとか、3割にするとか、新しい採用を控えているという、こういう事態の中で、いやいや、オリンピックに金を出して良かったと、スポンサーになって良かったよ、なんて、そういうことをうはうはで言える役員なんていないと思いますよ。だからこの時期にそういうことを質問するのは、僕はNHKらしくないというふうに思うんですね。 さっきからツール、道具箱というふうに、バッハさんはとてもいい話をしておられると思うんです。私は昔、法律でIT基本法という、今のデジタルの基をやったときに、ITを国で進めていくために、国で援助していくお金を出していく、そんな必要はあるのかなと、私は法案を提案しながら、やっぱりそう思いましたよ。そういうときにやっぱり明快に答えてくれた学者がいましたが、ツールだと考えなさい、自動車だってそうじゃないですかと。これだけ自動車は世の中に影響を与えています。いい影響も与えていますけども、自動車によっては、あのころは前に日本で毎年1万人ぐらいが死んでいました。今は5000ぐらいになっているんだと思いますが。これだけ自動車が人をはねたり殺しているという、凶器になっているけれども、誰も自動車をやめなさい、自動車の製造をやめなさいという国民は誰もいなかったはずですよ。皆さんの新聞や、テレビのメディアの【教育 00:45:24】世論調査だってそういうものを出してないですし。それでやっぱり車がどんどん造られていった。