阪神の怪物ルーキー佐藤輝明の4番指名はリスクのある”危険な賭け”なのか
橋上氏が4番に薦めるのはジェリー・サンズ(33)だ。サンズはここまで打率.262、8本、23打点で得点圏打率が.371もある。 橋上氏は、「4番・佐藤」のリスクをさらにこう指摘した。 「佐藤はボールの見極めが徐々にできていて弱点のコースに対してバットが止まり出している。対戦がひとまわり、ふたまわりすることで各投手のボールの軌道や性質などもわかってきたのだろう。だが、まだ三振が多い。打順を6番から5番にひとつ上げるのはありかもしれないが、4番であれだけ三振すると、そこで打線が切れる危険性がある。6番で、後ろに得点圏打率が高い梅野、中野がいるから打線がつながるのだ。また9本塁打、25打点の数字は立派だが、それはまだ実績とは言えない。その状況での無理に4番に抜擢することでチームの中で浮いてしまうことにもなりかねない」 現在の佐藤の成績は打率.263、9本塁打、25打点。9本塁打はセの本塁打争いでヤクルトの村上、山田の10本についで3位。打点は巨人の岡本に並びトップタイだ。それでも三振46はダントツのワースト。2位の横浜DeNAの牧が33だ。得点圏打率は.290あるが、4番打者ともなると、この三振がチームの足を引っ張ることにもなりかねない。 橋上氏は、西武の1軍作戦コーチ時代に山川が、4番の座を奪いとる過程を見てきた。「メヒア、中村の怪我などもあったが、山川は周囲が納得するような十分すぎる実績を作ってから4番となった。山川のパターンが理想」という。 ただ「4番・佐藤」が阪神の理想であることは間違いない。 「確かに本来は日本人の4番がいい。なぜなら日本人はチーム貢献が常に頭にあるからだ。外国人も人によって違うが、彼らの頭にあるのは、やはりインセンティブ優先。そういうものが大事なところで出てきてしまう。佐藤のようなタイプがチームバッティングをする必要はないが、四球で歩くだけでも4番の役目を果たすという意識が日本人にはある。理想としては、4番・佐藤にいきつくのは理解できる」 そして橋上氏は、大山の登録抹消、佐藤の4番抜擢の裏には、新外国人のロハスの存在があるのではないかとも読んでいる。