全米メディアは大谷翔平の「スプリッター」と紳士な”謝罪”シーンを絶賛「消える球を使った」「M・ジョーダンのように」
エンゼルスの大谷翔平(26)が5日、本拠地で行われたレイズ戦に先発登板し、5回0/3を投げ1安打無失点の好投を見せたが、大谷に勝敗はつかずチームは1-3で敗れた。レイズの筒香嘉智(29)は「7番・一塁」で先発出場。大谷との対決はレフトフライと四球だった。この日の大谷は、打席に立たず投手専念の起用となったが、7奪三振、6四球の荒れた内容。それでも、全米メディアは、「スプリッター」と曲芸キャッチ「ソーリー(悪かったね)」という2つの出来事に注目して大谷を称えた。 ロサンゼルスタイムズ紙は「スプリッター」にフォーカスした。 「今見えていたものが見えなくなる。それが大谷のスプリットフィンガード・ファーストボールだ。彼はレイズを5回無失点に封じるため彼の代名詞となる消える球を使った」と、その「スプリッター」を形容。記事は「敗戦の中で、大谷はただ一人明るい材料だった。二刀流スターは89マイル(約143キロ)のスプリッターを同じ腕の速さとリリースポイントで90マイル後半(153キロ以上)の直球と同じように投げた。ホームプレートに近づくと27から35インチ(約69センチから約89センチ)も急落した。結果は、すべて空振りか、ファウルボールか、当たりそこないだった。84球のうち28球がスプリッター。大谷は、この日、その球種で8つのアウトを奪い、大谷がスプリッターで残した結果は、ここまで23三振を含めて、27打数無安打となっている」と、データをもとに大谷の「スプリッター」がいかに優れているかを説明した。 また通算213勝154セーブの成績を残し野球殿堂入りしているジョン・スモルツ氏の分析も掲載。ブレーブスの“レジェンド”は、「大谷が速球を制球できれば、相手は彼のスプリッターに狙いを付けるチャンスはない。同じ軌道で投げてゾーンの真ん中に来るが、そこから落ちて、(ホームの手前で)大きく動く」と絶賛した。 ただ同紙は大谷が4試合で18回2/3を投げ、30奪三振、19与四球で「4試合しか投げていないにもかかわらず」与四球数がメジャーワースト3位タイであることも指摘。 「ジョー・マドン監督は大谷の制球の問題は、定期的に先発をしていない副産物だと考えている」と制球が安定しない理由についても記述した。 MLB公式サイトも「大谷は、6人に四球を与えて(打線の)援護もなかったが、投球の52%で90マイル半ば(約153キロ)の直球、そして28球のうちの44%で空振りを奪ったスプリッターを頼りにスコアボードにゼロを並べることができた」と「スプリッター」に注目した。 「最も綺麗なイニングだった」と、三者凡退に打ち取った5回のピッチングをピックアップし、「ウィリー・アダメスからスプリッター、ブランドン・ロウを99.3マイル(約160キロ)の速球で凍りつかせて三振に打ち取った」と伝えた。