「1ヶ月プラ使わず生活してみた」SNS動画で''面白い''を入り口に社会を知るきっかけを #豊かな未来を創る人
── そこからメディアの道へ? その後は、報道写真家を目指して東南アジアやアフリカ、フィジーなどの国々を取材して周りました。そうしてメディアで記事を書くなどの発信に取り組む中で、日本における社会や政治への参加意識が低いことを感じるようになったんですね。その原因を自分なりに考えてみて、意見を持っていない人が多いからなのではないかという仮説を持つようになりました。 大学を卒業後、ソーシャルビジネスを世界中で展開するボーダレス・ジャパンに起業家採用で入社し、1年目で起業して「どっち?」「Social Post」というニュースアプリをリリースしました。仮説をもとに、自分の意見を作る練習ができるよう、ニュースに対して賛成や反対の投票をしたり意見を述べたりでき、投票をすると他の人の反応を見られる仕組みにしたんです。 このアプリ事業を通じて分かってきたのが、気になった瞬間だけはみんなニュースを見るけれど、興味関心は持続しないということ。気がつくと、選挙前のタイミングにアクセスが一気に伸びて、選挙の投票先を考える際のお役立ちサイトのようになっていました。 その気づきをきっかけに、そもそも人の興味関心が醸成される場所にもっと介入していかなければならないのではないか、と思うようになったんです。それで今度は「教育」に事業をシフトチェンジしました。 当時は探究学習が学習指導要領に入るタイミングでした。そこで、探究学習のプログラムとして、社会課題解決に取り組む会社と学校がコラボレーションして、社会課題の解決策を子どもたちと一緒に考えるプログラムを始めました。 ── メディアから教育に。そこからRICEメディアはどうやってできたのでしょうか。 教育事業を通じて、人の中で関心が醸成されていくのと同じように、無関心も醸成されていくと学んだんです。接点がなくなればなくなるほど、人はそのことに対して興味がなくなっていってしまうものなんですね。 人の興味関心において、教育は接点を作ることはできるかもしれないけれど、その後のフォローまではできません。それでどうしようかと考えていた時、一度離れたメディア事業にもう一度挑戦したい思いが大きくなってきまして。僕は人に何かを伝えることがやっぱり好きなので、メディアを諦めていいのかという思いはずっと心のどこかにあったんですね。コロナ禍で学校を回りづらい状況なのも後押しして、「RICEメディア」としてメディア事業を始めることにしました。