「1ヶ月プラ使わず生活してみた」SNS動画で''面白い''を入り口に社会を知るきっかけを #豊かな未来を創る人
知らないうちに知っている。実現したい社会像
── 一番やりがいを感じるのはどんな時ですか。 まずはやっぱり視聴者さんの声や反応を聞いた時ですね。YouTubeには特に沢山のコメントをいただいていて、「今まで考えたこともありませんでした」「RICEメディアの動画で初めて知りました」「初めて最後まで視聴できた社会的コンテンツでした」など、嬉しい声をいただいています。 それに、実際に行動を起こしてくれている人も沢山いるんですよ。以前「1週間牛飼い生活」という、アニマルウェルフェア(動物福祉)の現状や畜産業について伝えるコンテンツを作ったんです。それを見た視聴者さんの中には、「僕もやってみたいです」と言って、動画と同じように牧場生活をされた方がいました。RICEメディアを見てもっと知りたいと思って、僕らが取材に行ったところにアポイントを取って訪問した高校生もいましたね。
興味を持ってもらえない、興味がない人にどう届けたらいいのかって、社会活動をしている多くの方々が頭を抱えていることだと思うんですよ。僕自身も分からなくて、ずっと悩んできたので、届けたい層にちゃんと届いてるという実感が持てる瞬間はめちゃくちゃ嬉しいですし、やりがいを感じます。 もう一つ、取材をさせていただいた方々からの声を聞いた時にもすごくやりがいを感じます。RICEメディアで紹介した取材先には、沢山の応援者が流れていくんです。例えば「TABETE」というフードロスの会社さんを紹介させていただいた時は、RICEメディアを経由して約13万人のユーザーが増えました。 そのように「ユーザーが増えました」「クラウドファンディングの支援者が増えました」とすごく喜んでもらえるんですよね。社会のためを思って活動している人たちが、日の目を見て、活躍していってもらえたら僕も嬉しいので、少しでもその後押しをできていると思うと大きなやりがいを感じます。 ── 今の取り組みの先に目指す社会像やビジョンを教えてください。 良い意味で人間ってそんなにできた生き物じゃないと思っているんですよ。だから、一時は社会課題に興味を持ったり取り組んだりしていても、その情熱を保ち続けられる人って少ないと思うんですね。 そこで大事になるのが、生活の中で無意識のうちに社会のことに関心が向いたり、そういう選択をしたりするような仕組みを、いかにこの社会にデザインできるかだと思っています。ただSNSを見ていれば社会を楽しく知ることができるコンテンツが流れてきて、調べなくても社会課題に触れて、気づけば社会に目が向いている。そんな社会を、僕たちのメディア事業を通じて実現したいと思っています。 でも、僕たちはRICEメディアにこだわっているわけではなくて、むしろRICEメディアだけでは全然足りないと思っているんですよ。これからは、他のメディアも作ったり、タレント事務所を作って社会的な発信をするインフルエンサーを増やしたり、マスメディアと協業したり......。それによって、社会課題について配信する人をどれだけSNS上に溢れさせられるかが、僕たちの使命だと考えています。
文 : 安藤ショウカ 取材・編集 : 木村和歌菜 撮影 : 唐牛航