コンゴ民主共和国で謎の病気「X」 ウガンダではディンガ・ディンガ…海外ではやる感染症について知る意味は?
舞踏病?
さて、今度は同じくアフリカ大陸のウガンダです。ウガンダで奇異な体の動きが見られる謎の疾患、「Dinga Dinga」(ディンガ・ディンガ)がはやっているとProMedは報じています。なぜか抗生物質で治る可能性も示唆されています。 抗生物質で治る、不思議な体動がみられる病気としては「リウマチ熱」があります。これは溶連菌と呼ばれる細菌感染症の合併症で、心臓の炎症や皮疹とともに、「舞踏病(chorea)」と呼ばれる、まるで踊りを踊っているような不思議な体動が見られるのです。先進国ではまれですが、途上国では比較的よくある病気です。 https://youtu.be/wTCnbga3sqg?si=sUq6339F7vBCc84R ウガンダのDinga Dingaが舞踏病なのか、あるいはそれに関連した疾患なのか、はたまた全然関係ない現象なのかは現時点では分かりません。これも要注目です。
世界の感染症情報を手軽に入手
他にも、ProMedではカンボジアで流行する麻疹や、バングラデシュで流行しているデング出血熱などについて報じています。感染症以外では、ベトナムで魚の入った麺類とお酒を飲んだ人たちの間でメタノール中毒が発生したことなども報じられています。ProMedは現地の報道を英語に翻訳して報告してくれるので、こうした情報も簡単に入手できてとても便利です。ベトナムのメタノール中毒のニュースは現地のベトナム語による報道でしたが、僕はベトナム語を一文字も読めないので、ProMedがなければまったく知ることのできない情報でした。今はブラウザの翻訳機能も進化して、ベトナム語のニュースも日本語に翻訳して読むことはできますが、ベトナム語が読めなければ、そもそもそのニュースを読もうというインセンティブそのものが生じませんからね。本稿校正時には、ミャンマーで7000人ものコレラ患者が発生し、隣国のタイにまで飛び火しているという報道も読みました。本当に、感染症は油断もすきもありません。 このように、現在も日夜、感染症やその他の健康問題が世界中で発生しています。グローバルな社会になり、海外で起きている感染症問題も日本とは全く無関係ではありません。現地に渡航した日本人や、インバウンドの旅行者がそのような病原体を持ち込まないとも限らないからです。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)もそのように海外から日本に持ち込まれたことを忘れてはなりません。今後も、海外のこうした情報を収集しつつ、日本に対する影響の可能性も吟味していこうと思います。