2023年10月7日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスが、ミサイル弾や戦闘員によるイスラエルへの攻撃を行いました。イスラエルも報復として空爆を行うなど戦闘が激化しています。最新ニュース、専門家の見解などをまとめました。
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「みんなの意見」の投票結果
戦闘が行われている地域
今後の展開 専門家の意見
ガザ地区
・双方とも、目的達成の目途が立たないまま予想を超える長期間交戦が続いています。イスラエル側の予備役の動員が人数も期間も想定の範囲外ではないかと思われるので、影響も予想外の所で長期的に出る恐れがあります ・ガザ地区の一般住民の居住環境だけは着実に、しかも再起不能なくらい破壊されているので、これを既成事実化して強制移住につながることがないような取り組みが必要
・実際、ハマスがどの程度の組織で、どのくらいの能力を持っているのかは明らかではなく、それゆえイスラエルが掲げる「ハマスの殲滅」という目的も、どの段階になれば達成されたのか、ということを示すことが出来ない ・9000人殺害したのでハマスを殲滅した、と言っても、その後テロなどがあれば、意味はなくなるが、それは10万人だろうが100万人だろうが同じことになってしまう ・つまり、この論法でいけばガザ地区からパレスチナ人を完全に排除しなければ目的が達成されたことにはならない
・イスラエルでは「ガザの難民を先進国が受け入れるべき」という声があがっている ・それは主にガザ侵攻を進めるネタニヤフ政権の支持者である保守派からのものである ・イスラエル保守派がガザ住民の「自発的移住」を推奨するのは、軍事占領が容易になるからで、これまでもイスラエルが行ってきた手法 ・保守派の反応をみれば、「ガザ占領」がネタニヤフ政権の視野に入っていることがうかがえる
・イスラエル軍によるガザ地区の住民追放の固定化、強制移住につながる既成事実の固定化は着々と進んでいる ・これを如実に示すのが、2023年11月28日付読売新聞の「イスラエル、ガザ北部に東西横断道路8kmを新たに整備か…長期戦見込んだ対応との見方も」と題する記事 ・衛星写真を分析した結果に基づき、11月21日の時点でガザ地区を東西に分断するイスラエル軍の作戦道路が複数建設されていると指摘する内容で、道路の建設をイスラエル軍がガザ地区での戦闘再開とその戦闘の長期化に備えるものと評している ・イスラエル軍による道路の建設は、既に提起されている可能性の中で「ガザ地区を居住不能にしてパレスチナ人民をよそに強制移住させる」という選択肢に向けた既成事実を積み重ねることに他ならない
危機拡大の可能性
・現在のパレスチナと周辺地域の情勢は、ガザ地区での各病院での惨状、レバノン方面での交戦、シリアやイラクでのアメリカ軍基地への攻撃など、既に事態を「イスラエルとハマースとの戦い」なり「ガザ地区での戦闘」などと矮小化することができない状況にある ・現在「イスラエルとハマースとの戦い」と呼ばれているものの戦場は、ガザ地区やパレスチナよりもはるかに広く、広報や諜報など他分野に及んでいる ・イスラエルやアメリカの側から見て紛争を拡大して「抵抗の枢軸」の一部なり全部を殲滅したいならば、ガザ地区の人道状況はこのままどんどん悪化させ、敵方が「ルール」を逸脱する行為に出るよう仕向けるのが最も合理的 ・この観点からは、現在状況改善のため努力や働きかけは、当面一切実を結ばないことになる
・バイデンに先立ってイスラエルを訪問したブリンケン国務長官に対して、同国のヨアフ・ガラント国防相は「この戦争は長くなる」と釘を刺していた ・湾岸戦争などでアメリカに協力したサウジアラビアやエジプトがいわば独自路線を目指すなか、アメリカの中東政策において同盟国イスラエルとの関係はこれまで以上に重要になっている ・バイデンがイスラエルに実質的なゴーサインを出すことは既定路線だったとさえいえる。それはガザでの人道危機が早期に収束する見込みが乏しいことを意味するのである
国際的な影響
・中東やアフリカのイスラーム世界における戦闘が欧米に飛び火することは、これまでにもあった ・アメリカのトランプ政権がエルサレムをイスラエルの「首都」と承認した際、ISやアルカイダがこぞって批判してテロを予告したことと比べると、不自然なほどの静けさ ・あえて静けさを保っているなら、ISやアルカイダはオール・イスラーム連合の創設を間接的にバックアップしている ・その一方で、パレスチナでの衝突をきっかけに欧米圏で宗教や民族間の対立が再燃している。それはテロでなくても、ヘイトや差別を助長することはほぼ疑いない
経済的影響の可能性
・これまでの歴史を踏まえると、軍事衝突は短期間で終了すると考えられ、原油価格が大きな混乱状態に陥る可能性は高くない。 ・ただし、この問題は大きな不確実性を抱えており、各国が対処を誤ると数ヵ月後の世界経済を取り巻く環境は悪い方に一変している可能性がある。 ・戦闘状態が長期化するほどに不測の混乱が発生するリスクが高まる。
・1973年の第4次中東戦争はいわゆるオイルショックの要因となった ・今回の戦争がオイルショックのようなことをもたらすきっかけになる可能性も完全には否定できない ・2022年7月の日本の原油輸入における中東依存度は過去最高の98%を記録
これまでの主な動き
イスラエル・パレスチナ情勢 これまでの動きをわかりやすく解説
山田敏弘10/30(月) 19:05
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