洗脳薬物実験から核の紛失まで、米国政府が隠し通せなかったおぞましすぎる極秘事件5選
放射線被ばくの人体実験、FBIの水面下での監視と妨害活動も
2024年12月上旬、米国のニュージャージー州付近で、謎のドローンが頻繁に目撃された。誰が何の目的で飛ばしているのかという不安が高まっているにもかかわらず、米国当局からの説明はほとんどなく、安全保障上の脅威ではないという見解を示しただけだった。 ギャラリー:米国政府が隠し通せなかった極秘事件5選 写真5点 このような沈黙は、陰謀論が根づく余地を与えるだけだ。政府は公表されている以上の情報を持っていると考える人もいる。今回の件ではそのような証拠は存在しないが、米連邦政府が昔から秘密計画を実行してきた事実は確かにある。そこでこの機会に、最初は秘密にしていたものの、米国政府が存在を認めることになった5つの計画や事件を紹介しよう。
放射線人体実験:無防備な米国人を同意なく被ばく
1945年、米国が日本に2発の原爆を投下した年に、米国政府は放射線の人体への影響を調査する実験を始めた。放射性物質であるプルトニウムが2年間で18人に投与された。被験者には、米国人の末期患者、子ども、路上生活者などが含まれていた。 テネシー州の建設労働者、エブ・ケイドもその一人だ。ケイドは、1945年3月に交通事故で腕と足を骨折した。医者は何週間も治療を遅らせ、骨への影響を調べるためにプルトニウムを注射した。 その後も実験は続いた。被験者は囚人、高齢者、軍人に拡大され、同意のないまま、放射線に被ばくさせられた。ちなみに、ケイドは投与の8年後に死亡している。 1947年4月になると、第二次世界大戦中にナチスが強制収容所で行った人体実験への対応として、医学研究の倫理的指針である「ニュルンベルク綱領」がつくられた。歴史学者で、米国の機密解除についての著書があるマシュー・コネリー氏によると、前述の実験に関わった人々が「いつか責任を問われることになるかもしれない」と考え、実験の機密指定をはたらきかけた。 この人体実験の詳細は、何十年も明かされることはなかった。広く知られるようになったのは、米エネルギー省が1944年から74年に行われた実験について調査を始めた1994年になってからだった。