休業要請を全面解除 大阪・吉村知事が会見(全文3完)ゼロリスク目指していない
大阪府の吉村洋文知事は28日、府の新型コロナウイルス対策本部会議終了後、記者会見を行った。 【動画】大阪府の吉村知事が会見 「休業要請」6月から全面解除 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「大阪府の吉村知事が会見 「休業要請」6月から全面解除(2020年5月28日)」に対応しております。 ◇ ◇
「2」以上にしてもいいという理由は?
日本経済新聞:あともう1点。「大阪モデル」についてですけども、先ほどの対策本部会議の中で、感染源不明の前週比を2以上にしてもいいんじゃないかというお考えを示されましたけども、これはまだアイデア段階かと思いますけれども、どういった理由で2とされているのか、その運用方法についてもお聞かせいただけますか。 吉村:まだこれは僕自身の考え方なんで、それをごり押しするつもりはないです。専門家の意見も聞いて、職員ともしっかり議論をして最後は判断していきたいと思っています。なぜ2かということなんですけども、感染源不明の前週比較比、前週増加比、前週との増加比は、僕はこれは指標としては非常に有効な指標だと思っています。これは7日間の移動平均で見て、単発じゃなくて7日間の移動平均で1日1日を見ていきながら、前週と比べて増えてるかどうか。この比率っていうのは線の傾きを示しますから、右肩上がりに上がってるっていうような状況であればやっぱりこれは警戒しなきゃいけないというような数値です。ですので、これは僕は非常に重視してる数字。
医療と社会経済活動の両立目指すのが「大阪モデル」
もともと「大阪モデル」を作った発想は、医療崩壊を防ぐ、感染の急激な爆発、オーバーシュートみたいな状態になるのを防いで医療崩壊を防ぐ。感染者が出ることを前提にしてます。ゼロリスクは目指してないです。感染者が出ても、大阪府が持つ医療崩壊をさせない範囲でそれを抑えながら社会経済活動を維持すると、この両立を目指すのが「大阪モデル」。そしてそれを見える化するのが「大阪モデル」なので、そういう思想からすると大事なのは、その時点時点でのベッドの数、医療の体制、これは点の問題。もう1つ考えなきゃいけないのは線の問題です。どういう角度で上がってきてるのかっていう、この点と線が僕は非常に重要だという思想でこの間、進めてきました。 線を示す指標の1つとして陽性率なんかもありますが、感染源不明の前週増加比はまさに線を示す指標として、今考えられる指標としては分かりやすい指標だし、非常に参考になると思ってます。ただ、そこでの欠点っていうのがやっぱり1つあって、それは、前週増加比ですからあくまでも比率なので、母数があまりにも少なくなると、この数字がすぐぴんと異常値をはじき出すということになります。極論を言えば、0がずっと続けば、その次に1が出たらそれだけで1を超えるということになりますので、じゃあそれがさっき僕が言ったあの趣旨に照らして医療崩壊を防ぐ範囲を超えてるのって、全然超えてないわけですから。やっぱりここは母数と絡めるべきだったというのが僕自身もそういうふうに今、振り返っても思います。 そういう意味で、母数としての「大阪モデル」の指標は同じ市中感染度を測る母数として、感染源不明の陽性者が移動平均で5人から10人っていうのが1つ、指標を作ってますから、やっぱりそこと掛け合わせるべき指標だというふうに思ってます。 その中で、それをした上での話ですけど、やはり1ということになると、先ほど申し上げたとおり、1以上というのはちょっと増えても1以上になるので、2となればこれは2倍ということですよ。ですので、急拡大という意味でいけば、僕は2というのが適切なんじゃないかなとは思ってますが、ただ、ここは専門家の意見を聞きたいと思ってますので、ちょっと記事になるレベルじゃないと思うんですけど、会議で僕の意見として言ったということです。ここは専門家の意見も聞きたいなと思ってます。