「闇バイト」強盗の下見か? 「工事で来ました」と不審な訪問相次ぐ 「うちはいいです」と断っても…女性が語った恐怖の一部始終
ある日突然、2人組の男が訪問
リフォームの営業や工事の告知をかたる不審な戸別訪問が長野県内各地で相次ぐ中、今月4日に長野市古里地区の住宅で2人組の男の不審な訪問を受けた住民の女性が、信濃毎日新聞の取材に応じた。 【まとめ】悪質な訪問販売の被害に遭わないための注意ポイント
「電気工事で来た」
インターホン越しに「電気工事の関係で来た」とだけ言い、身分を明かさず、玄関先に入れるようしつこく求めてきたという。
身分明かさず、しつこく「玄関に入れて」 断っても…
女性によると、訪問があったのは4日午後5時ごろ。男2人は作業服のような姿でヘルメットを腰に下げ、頭に白いタオルを巻いていた。夫がインターホン越しに対応すると、大きな声で「電気工事の関係です」「話をさせてほしい」と繰り返し、「うちはいいです」と断っても、玄関先に入れてほしいと食い下がったという。20~30代の若者の印象で営業か告知かも判別がつかず、警察を呼ぶと伝えると立ち去った。
付近でも不審な訪問
女性が2階から観察したり周辺に聞いたりしたところ、2人は身分が確認できる名刺や販促物などを示さず、電気工事も行われていなかったという。一帯は住宅や農地が点在。女性や長野中央署によると、付近では同時間帯、別の複数の住宅で「外壁工事の営業」などをかたる不審な訪問があった。
強盗下見の恐れ、警察が注意喚起
押し売りなど強引な営業に関する相談は以前からある一方、首都圏で相次ぐ強盗事件の一部では、闇バイトで募った犯人グループが現場を下見に訪れていたとみられ、事前に家族構成や資産状況を把握していた可能性がある。長野県警はこうした訪問が企業の営業ではなく、「闇バイト」が絡んだ侵入盗・強盗の下見や、特殊詐欺(電話でお金詐欺)の犯行グループで個人情報を探る「情報屋」の可能性もあるとして注意を呼びかけている。
事件の予兆?
4日に不審な訪問を受けた女性は「何かを売り込む感じはなく、荒々しい印象で、とにかく玄関まで入れてくれの一点張り。事件の予兆かと思うと不気味で恐ろしい」と話す。
同様のケース、長野県内で相次ぐ
県警によると、4日までの3連休に塩尻署管内でも不要品の買い取りやリフォーム業者を名乗る不審な訪問が確認されている。伊那署管内では6日、個人宅に消防本部や防災課の職員を名乗る人物から家族構成や近所付き合い、「助けてくれる人はいるか」といったことを聞く不審な電話が複数あった。県警生活安全部は「不審な電話や訪問を受けた際はためらわず通報してほしい」としている。