巨人から明かされた田中将大の年俸1億6000万円、その“中身”とは? セ球団査定担当がみた“実績”“実力”以外の妥当性と「出来高」の意味
楽天と雲泥の差のリスペクト
プロ野球巨人が楽天を自由契約になった田中将大投手(36)を獲得した。来季年俸は1億6000万円プラス出来高払い。今季年俸2億6000万円から大幅な減額に違いないが、一部報道通りなら楽天の3倍超となる。日米通算197勝の「実績」と、今季は1試合の登板で未勝利に終わった現状の「実力」を踏まえ、妥当性を探ると――。(金額は全て推定) 【写真】楽天退団について相談したとマー君が明かした元アイドル妻。40歳には見えない溌溂とした笑顔がチャーミングだ。
巨人の田中獲得の一報は12月16日だった。その8日後の同24日、詰めの交渉に入っていたのか、やや間を置く形で契約合意が発表された。翌25日には入団記者会見を開き、球団はその際にメディアに対し、報道する上で最低限必要な年俸と出来高の有無を明かしたのだった。 「選手の年俸は球団からの情報がなければ大体、この程度の金額だろうと各社で話し合って決めるか、そうせずに各社でばらつくかのどちらかです。球団側が明確に知らせてきたことには何らかの意図を感じはしましたが……」(番記者) 巨人の日本選手の来季年俸はトップが坂本勇人内野手と岡本和真内野手の5億4000万円。田中の1億6000万円は6位で、大城卓三捕手に並ぶ。投手陣だけで見るなら今季12勝(8敗)を挙げた戸郷翔征投手の3億円に続き、2番目だ。田中の後には高梨雄平投手の1億5000万円、大勢投手の9000万円が続いている。 田中が楽天で提示された年俸は減額制限(年俸1億円以上は40%)を大幅に超えるものだったとみられる。4000万円とすれば実に約85%ダウンだ。田中が「もう期待はされていないんだな」と思うに至るのも無理はない。 さるセ・リーグ球団の査定担当はこう振り返る。 「楽天の提示額はほぼマー君の今の力だけを見ての評価だとみることができます。生え抜きの功労者に対する敬意は感じにくいものでした」 これに対し、巨人は今季年俸から約38%の減額にとどめた。仮に1億5000万円ならば約42%ダウンと減額制限を超えていた。一線を守ったところに楽天とは雲泥のリスペクトが窺える。 「巨人が提示した年俸はうちでは出せない金額で、これまでの実績が十分に含まれたものだな、と。その他には興行的な価値が加味されているように思えます。“顔”の値段を含め、まさにマー君という選手を総合的に評価しての年俸だと思いました」(同査定担当)