中日戦力外の22歳投手、電気工事会社に就職 もう1つの夢へ決意「家族に家を建ててあげたい」
中日から戦力外を通告された加藤翼投手(22)は、「建築関係の仕事に就きたい」と第2の夢に向けて、歩み出した。電気に関する工事の設計、施工管理を行う「株式会社ビーライトグループ」で、2月1日から働き始める。商業施設や店舗の建築にも携わるため、「スキルやノウハウを身につけたかったし、興味があった」と入社を決断した。 【写真】帝京大可児高時代はMAX153キロの剛腕で注目された 幼少期から、デザイン画を描いたり、もの作りが好きだった。「自分の家を自分で建てたくて」と中学時代からの、もう1つの夢を追うことを決めた。 同社の主な仕事内容は電気工事だが、今後は建築業界にも分野を広げていくという。「人のためになる仕事がいいなと思った。学びながら、会社の成長とともに自分も成長できたら」。“会社勤め”の新たな人生に胸を高鳴らせ、現在はビジネスマナーの本を熟読し、準備を進めている。 帝京大可児高から同校初のプロ野球選手として、20年ドラフト5位で入団。23年からは育成選手として過ごし、1軍登板は果たせなかった。 次の道を選んだ時、思い浮かんだのは家族の顔だった。恩返しはまだできていない。「野球で花開かなかった分、社会に出て、安心させたい。将来的には、家族に家を建ててあげたい」と青写真を描いた22歳。4年間のプロ人生に幕をおろし、決意新たに第2の人生を歩み始める。(森下 知玲) ◆加藤 翼(かとう・つばさ)2002年12月14日、岐阜・益田郡金山町(現・下呂市)生まれ。22歳。帝京大可児高から同校初のプロ野球選手として、20年ドラフト5位で入団。23年から育成契約に。クイック投法など、試行錯誤を繰り返したが、23年にはウエスタン・リーグ8試合で防御率12・00、今季は同5試合で防御率7・71と苦戦。1軍出場はなし。179センチ、80キロ。右投右打。
報知新聞社