業界の闇を暴く映画5選!
ダイヤモンド業界の暗部に迫る!『ブラッド・ダイヤモンド』
きらびやかな世界、大儲けする会社。そこには必ずと言ってもいいほど“影”の部分が存在する……。そんな業界の闇は、映画にも最高の題材。闇が暴かれることで観る者には、ある種のカタルシスがもたらされるからだ。ダイヤモンド業界の暗部を扱った本作も、このパターン。実際に映画がヒットすることによって、社会的論議にもつながった。内戦が長引いていたアフリカのシエラレオネでは、ダイヤモンド採掘場での強制労働が続く。採掘されたダイヤは、武装組織の資金源となり、それがブラッド・ダイヤモンド、つまり“血塗られた”紛争のためのダイヤということ。その実態から、宝石業界での不法取引も明らかになっていく。 社会派テーマの本作だが、主演はレオナルド・ディカプリオ、監督は『ラスト サムライ』のエドワード・ズウィックなので、アクションエンタメとして引き込むのがポイント。ディカプリオはダイヤ密輸に関わる元傭兵の役で、漁師のソロモンが採掘場で見つけた超貴重な“ピンク・ダイヤ”を巡り、ソロモン、アメリカ人ジャーナリストとともに怒涛の運命に巻き込まれていく。クライマックスのディカプリオの演技はあまりに凄絶で、彼は本作でアカデミー賞主演男優賞にノミネート。一人の男の改心と世界規模の闇が重なり、骨太な感動を届ける。
米テレビ史で最大のスキャンダル!『クイズ・ショウ』
TVのバラエティ番組は、とんでもないことが起こっても“段取り”どおりであることが多い。それも含めて演出で、見方を変えれば“やらせ”も含まれているのは、もはや誰もが知っている。しかしTVが人々に大きな影響を与えていた時代、誰もが真実と受け止めていたことが、やらせだと発覚したら……。そんなTV界の闇を再現したのが『クイズ・ショウ』だ。1956年、アメリカで国民的人気を誇っていたクイズ番組で、無敵を誇った出場者ハービーが、若くハンサムな大学講師のチャールズに敗退。チャールズは一躍、時の人になるが、そこに驚くべき疑惑が浮上する。 アメリカのTVの歴史でも最大のスキャンダルといわれるこの事件。オーディションや番組前の打ち合わせで何が起こっていたのか。本番中のハービーとチャールズの表情は何を意味していたのか。番組の視聴率が急上昇するのに合わせて、作品自体もどんどん熱気を帯びてくる。ロバート・レッドフォードの監督の手腕に“乗せられる”のが、本作の持ち味だ。スポンサーとTV局の深い関係など、現在もくすぶる問題を投げかけているので、30年前の作品なのにまったく古さを感じさせない。日本の人気ドラマ『古畑任三郎』で、本作をヒントにしたエピソードが作られたのも有名。