すがちゃん最高No.1「家庭環境のことは誰にも言えなかった」壮絶な生い立ちの裏話とは?【幼少期のこと、中一で一人暮らしになるまで】
「変な家族」のことは人に言えなかった
――ご家族のことやお父様のことは、あんまり人には言いたくなかったですか? 【すがちゃん】:うちは親父だけでなく、ほかの人たちもキョーレツでしたからね。じいちゃんはほとんど人と話さないガンコな人、ばあちゃんは水道代を極端にケチるので皿を洗わないしトイレの流し方にも文句をつけるしいつも怒ってる、かっちゃんはいい人なんだけれど、真面目すぎて……。それぞれの人がかなり変わっているだけでなく、家族の和としてもなんだかうまくいってないというか。 小学校のときはすごく窮屈だった。家族の仲が悪くて不快だなって思っていました。顔合わせたら怒鳴り合いで。またよくないことに、うちが田舎の古い家で広くて、一人一部屋あるので、顔を合わすのは晩ご飯のときだけなんです。みんなそろったら、ケンカというか、親父が悪いんですけれど、お金の話などよくモメるんです。 当時、親父の変な話は、エピソードトークみたいな感じでときどき友達に話していましたが、家庭環境のことはなにも話してなかったですね。「フツーの家庭だったらよかったのに」って思っていました。母親がいないことも隠していました。田舎特有の村文化があって、よけいなことではみだすのはよくない、みたいな空気が強いですから。 小学校には家庭環境が少し変わった子が何人かいたんですが、そういう子はそれぞれ本人も変わっている子が多く、「あいつは変」みたいに陰口をたたかれる。自分も家庭環境が変わっているから変わり者だと思われるのがいやだし、家庭環境のせいで自分も変な人間になっていってしまうんじゃないかというのもちょっと不安で、「フツーの明るい子として生きていこう」って思っていました。
真面目な叔母さんが「2人暮らししよう」という提案も突っぱねて
――そんな家庭の中で唯一「フツー側」の人、叔母のかっちゃんが、家族の世話だけの人生を考え直すかのように、ついに家から離れますよね。そのときに、小学生だったすがちゃんを救おうと思って、「一緒に東京に行こう」と行ってくれますが、行かなかったのはなぜですか? 【すがちゃん】:かっちゃんは親父とは真逆でした。本当に博愛の精神と自己犠牲の愛とかにあふれていて。だから親父との縁も切らなかったし、結局親父が死ぬまで面倒みているんです。「世界いい人選手権」とかあったら準決勝くらいいくんじゃないかと思うくらいで。本当は人間の世界じゃなくて、ムーミン谷とかで平和に暮らしていくのがよかったんだろうなぁと思います(笑)。 でも、かっちゃんは真面目すぎて小さなことを注意するし、心配するので、それはありがたいんだけれど、小学校高学年のお年頃男子は腹が立つときもあって……。家族についてのいやな思い出もあいまって、どっちかというと家族が居るほうが窮屈だろうな、かっちゃんだけでも面倒なんじゃないか、みたいな気持ちもありました。 友達の家に行ったらお父さんとお母さんが仲良かったり、お父さんとおじいちゃん、おばあちゃんが仲良かったりして衝撃でした。仲のいい家族ってあるんだ、って。