売れない商品をスピード現金化~「全部買い取ります」驚きの仕組み
空き倉庫から飲食業まで~在庫以外も何でも売買
長崎・雲仙市の主に野菜を扱う運送会社「橘運輸」。しかし倉庫の中は「夏場は野菜が採れないからほとんど何もない状態」(社長・松尾孝充さん)だと言う。 この空きスペースを期間限定で買い取って売れないかと考えたのがピンチヒッタージャパン。全国の運送会社が持つ400余りの倉庫の、空きスペースを一定期間買い取り、貸し出している。 在庫の買い取りから発展させたビジネスもある。 ピンチヒッタージャパンの旭太樹が向かった先は、名古屋市内のマンションの家具付きのレンタルルーム。女子会や仲間内のパーティー向けなどに作られた。旭の目的は、このレンタルルーム事業の買い取り。ピンチヒッタージャパンでは、こうした小規模の事業を買い取り、希望者に売っている。 「売りたくて悩んでいる方と買いたくて悩んでいる方を、スピードを持ってサポートして、課題解決につなげられたらと考えています」(旭) ピンチヒッタージャパンのこの事業における強みは最短2日という買い取りのスピードだ。今回、相談してきた「エスクリエーション」の牧原光祐さんは、事業拡大のための資金集めが必要だったのだが、話の速さに驚いていた。 「売却の時間を縮められたらだいぶ助かります」(牧原さん) 2022年に開始したこのサービスでは、後継者のいない飲食店やインターネット上で商品を販売するショップなど、700以上の事業売買を実現させている。
横浜市内にピンチヒッタージャパンを利用して新たな事業を始めた人がいる。沖縄の会社がやっていた肉味噌の製造事業を買った「琉球ビオス」社長・山田教博さん。現在、一人で肉味噌を手作りし、出来上がったものを瓶に詰め、「ゴロっと肉味噌プレミアム」(800円)としてインターネットを中心に販売している。 46歳の現在まで20年以上、食品会社などに勤めてきたが「自分で食品を製造販売する会社をつくろうとずっと思っていて、45歳でその夢を叶えようと」、2023年8月、この事業を買い取り、一国一城の主になった。 「ピンチヒッタージャパンに入っていただいたおかげですごくスムーズ。事業の内容の理解度も深まったし、何と言ってもスピードが速いので買い取りを決断しました」(山田さん) 通常の事業売買は買い手が見つかるまで話が進まない。しかし、ピンチヒッタージャパンはいったん自社で直接買い取るため、売買が早く進むのだ。山田さんが250万円で購入したのは肉味噌のレシピや原材料の仕入れルートなどで、わずか4カ月の準備で開業にこぎつけた。事業を始めた後もサポートしてくれる。 ※価格は放送時の金額です。 ~村上龍の編集後記~ 今は、事業を買い取り、他の企業に売ることをメインにしている。事業はいったん買い取る。なので交渉が速い。もともとはスポーツ用品店にある型落ちの野球グローブの買取。大型商業施設に押され、商品が売れなくなった。新しい商品も仕入れられない。中古のバンを買い、東北から九州までの店を巡り、在庫を一括買取していった。地方だと、昔ながらの商いをしている人も多い。オーナーとも顔を合わせて話す。地方、田舎でも、販路を確保すればビジネスになる。その販路は、地道に、アナログで、築いたものだ。 <出演者略歴> 吉岡拓哉(よしおか・たくや)1987年、長崎県生まれ。2010年、長崎国際大学卒業後、美容関連卸売企業に入社。2013年、ピンチヒッタージャパンを創業し、社長に就任。 ※「カンブリア宮殿」より
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