売れない商品をスピード現金化~「全部買い取ります」驚きの仕組み
売る会社・買う会社・消費者~急成長支える「三方よし戦略」
急成長の秘密は、在庫を売る会社、それを買って販売する会社、そして消費者も喜ぶ「三方よし」の仕組みにある。 〇三方よしの戦略1~希望通りの販路で「売り手よし」 社内で、先述の「キャプテン」から買い取る商品の価格を最終的に決める会議が行われていた。過去の膨大な買い取りデータを参考に、客の希望額と照らし合わせながら最終価格を決めていく。ほぼ、売り手の希望通りの価格で買い取ることが決まった。 「当日か翌日には暫定の金額を出して、早い時には3、4日でお買い取りが決まることもあります」(上級執行役員・松本貴寛) 売り手にとって最も重要なのが「ライバル店に販売しない」など、販路に条件がつけられること。例えば「キャプテン」の場合「玩具専門店での販売はNG」という条件だった。 これが可能なのは、ピンチヒッタージャパンが全国に3500社という売り先を持っているからだ。売り手のNG販路を避けながら販売することができるのだ。 「最大限考慮してもらえるので、弊社としては心強いです」(岡崎さん) 〇三方よしの戦略2~ピンポイントな仕入れで「買い手よし」 ピンチヒッタージャパンの売り先の一つが大阪・泉佐野市の「半額倉庫」りんくう店。種々雑多な商品を扱うリサイクルショップだ。 そこへピンチヒッタージャパンの佐々野孝太が、先日「キャプテン」から買い取った型落ちのおもちゃの提案にきた。交渉の末、合計2万点を買い取ってくれることになった。 「特にこの店は外国の方が多いので、アニメ系の商材も結構置いています。日本のアニメは強いので」(「半額倉庫」社長・磯遊晋介さん) 店は関西国際空港に近く、立ち寄る外国人観光客も多いため、日本のアニメのおもちゃがよく売れると言う。 「おもちゃは意外と提案が少ない。売れているので商品を広げていきたいです」(磯遊さん) 外国人はアニメの放映時期も気にしない。あるところではまったく売れない在庫も、それを必要とするところにピンポイントで売れば、喜ぶ買い手がいるのだ。