ニッセンのトランスジェンダー・乳がん経験者向けブランド「as is」「Heartyell」が誕生した理由
1970年に京都で創業した株式会社ニッセン。総合通販事業を展開するほか、培ってきた通販ノウハウを活用してビジネスサポート事業も行っている。 総合通販事業では、婦人服やインナーウエアを中心とした衣料品をはじめ、雑貨、化粧品、インテリアなど、多様な商品を取り扱っている。衣料品においては、豊富なサイズ展開が特に印象的だ。 そんなニッセンから、トランスジェンダーの方のためのインナーブランド「as is(アズ イズ)」と、乳がん手術経験者向けのインナーブランド「Heartyell(ハートエール)」が誕生した。 今回は同社の池内さんと棚橋さんに、今回のブランドを展開した背景や商品に込めた想いなどについて話を伺った。
「小さな声も逃さない」。ブランドの展開へ
ーニッセンの掲げるミッションについて、教えてください。 ニッセンは、“想像以上の「あったらいいな」を。期待以上の「ちょっといいなを」を。”をブランドミッションに掲げています。全てのお客様が自分らしく暮らせる世の中を目指し、商品開発を続けてきました。 ー幅広いサイズ展開が印象的ですが、いつ頃から取り組まれているのでしょうか。 ニッセンは、20年以上前からプラスサイズファッションの提供のために独自のサイズ仕様設計を開発してきました。 購入いただいたお客様の声を集めたり、リアルサイズモデルのフィッティングを繰り返したりしながら設計精度を高め、現在は10L・46号・ウエスト154cm・Mカップのブラジャーまでサイズを展開しています。 また、プラスサイズファッションのノウハウや実績を基に、トールサイズ、プチサイズ、グラマーサイズなど、店頭ではなかなか販売していない細やかなサイズ設計によるファッションブランドも展開してきました。 サイズに特化したファッションを楽しんでいただける商品を展開しているのは、ニッセンの強みだと思っています。 ートランスジェンダーの方のためのインナーブランド「as is」を展開した背景を教えてください。 「as is」を立ち上げたのは、インナーの開発を進めるなかで抱いた疑問がきっかけです。 ニッセンインナーでは、「一人ひとりの心と体に寄り添い、最も適したインナーをご提供すること」をブランドメッセージとし、お客様の声を生かした商品開発を常に心掛けています。 これまで、ふくよかな体型の方や小柄な方、胸の大きい方などが持つお悩みの解決に取り組み、「自分に合った服や下着を、自分の好きなように着る心地よさ」を提供できるようさまざまな専門商品を企画・販売してきました。 そのような取り組みを進めるなかで、「トランスジェンダーの方はどのような下着を着ているのだろう」と疑問を抱いて 調べてみると、下着に限らず衣服に関するたくさんのお悩みを持たれていることを知りました。そこで、インナーを通して解決できることがないかを検討し始めました。 ー開発・販売は、どのように進められたのでしょうか。 商品開発については、まず協力してもらえる専門家を探すことから始めたのですが、既存のお取引先に、トランスジェンダー向けの商品を企画しているメーカー様がありました。 そのメーカー様は、すでに当事者の方と一緒に商品を企画し、完成した商品の販売先を探しているところでした。そこで「ぜひ弊社で」とお声掛けし、そのメーカー様が作っていた商品を「as is」の商品の第1弾として販売するに至りました。これが、2020年4月のことです。