なぜ松山英樹は全米OPで17位タイに敗れたのか?
2018-19シーズンの松山のデータを見ても、平均ストローク数が69.841と12位につけているのに対して、平均パット数は1.753の66位タイに甘んじていた。プロである以上は、毎年のように試行錯誤を繰り返している。それでも明確な数字となって反映されないのがゴルフの難しさとなる。 第3ラウンドまではティショットを含めてグリーンに乗せるまでのショットがさえ、その分だけパッティングへの不安が軽減されてきた。しかし、最終日は強風にショットの正確性が奪われた結果としてパッティングへの不安が顔をのぞかせたことで、メンタル面のスタミナ切れも早めてしまったのか。最初の4ホールで狂わせてしまったリズムを、最後まで修正することができなかった。 第3ラウンドの14番ホールまでの50ホールにわたって優勝争いに食い込んだ手応えと、最終日を含めたその後の22ホールで突きつけられた課題。些細な差が一気に広がり、取り返しがつかない展開になる。メジャーの壁を乗り越える上で、一緒に回ったルイ・ウェストヘーゼン(37、南アフリカ)が通算2オーバーで踏ん張り、単独3位に入った粘り強さは学ぶべき姿になったはずだ。 「ここまで悪くなってしまうには原因があると思う。それを修正する力をつけなければならない。それが何なのかはわからないが…しっかり頑張っていきたい」 松山は、そう言って前を向いた。 幕を開けたばかりの2020-21シーズンは休む間もなく続いていく。追い求めていく理想の姿として、松山自身も第3ラウンドの途中までのパフォーマンスをあげている。次なる目標は、新型コロナウイルスの影響で4月の開催が11月12日からの4日間にずれたマスターズ(米・ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC)。松山は反省を糧に変えて、一歩づつ、歴史的偉業を果たすための階段をはい上がっていく。