岩田寛が逆転で今季2勝目 最終戦も優勝なら史上最年長で初の賞金王に/国内男子ゴルフ
カシオ・ワールドオープン最終日(24日、高知・Kochi黒潮CC=7350ヤード、パー72)首位に2打差の6位で出た岩田寛(43)=フリー=が68で回って通算14アンダーとし、逆転で今季2勝目、ツアー通算7勝目を挙げた。賞金4000万円を獲得し、ランキング4位に上昇。28日開幕の今季最終戦「日本シリーズJT杯」で勝てば、初めての賞金王に43歳305日の史上最年長で輝く。清水大成(25)=ロピア=が1打差の2位。石川遼(33)=CASIO=は72で、通算11アンダーの4位だった。 プレーオフに備えた練習グリーンで吉報を知った。プロ21年目の岩田が自身初のシーズン複数回優勝。だが笑みはない。1組後ろで1打差で初優勝を逃した26歳の清水の悔し涙に、43歳は涙腺を必死に締めていた。 「大成が泣いていて、もらい泣きしそうになった。なんか声かけようと思ったんですけど、僕も泣いちゃいそうだから辞めました」 首位と2打差の6位で出て、7バーディー、3ボギーの68。うち6バーディーはショットで2メートル以内につけ、11番(パー3)では12メートルを沈めるなどグリーン上も好調。この日の平均パット数は1・3636で1位と、持ち味を存分に発揮した。 例年伸ばし合いとなるこのコースには、苦手意識がある。だが3日目に強風が吹いたことでスコアが伸びず、好機が到来。今季は6月の「BMWツアー選手権森ビル杯」で国内メジャー初優勝。以降は7戦連続(2度棄権)で決勝ラウンドを逃す時期もあったが、見事に復活。勝因を問われると、「運」とひと言。自身を「変わっています」と語る岩田らしさ全開だった。 今週は交流の深い元賞金王の谷口徹が26季保持したシードを喪失。涙を流した大先輩は「生涯獲得賞金25位以内」で1季は出場できる資格は持っていることも、当然知っている。「使わせます。記事に書いといてください。いたらいたでウザイんですけど、いないといないで寂しい」。28日開幕の今季最終戦「日本シリーズJT杯」で優勝すれば、岩田は43歳305日で史上最年長での初の賞金王が決まる。若手や先輩らと、男子ツアーを盛り上げていく。(阿部慎)