菅首相が会見 「宣言」延長・7府県追加(全文2)迅速な病床確保のため法整備検討したい
タリバンが実権を奪ったアフガンへの政府の反応は
ウォール・ストリート・ジャーナル:ウォール・ストリート・ジャーナルのランダースです。よろしくお願いします。アフガンではアメリカ軍が撤退をしてからイスラム教の過激派勢力、タリバンが実権を奪いました。日本政府の反応を教えてください。 菅:わが国および米国を含む国際社会は、アフガニスタン政府自身による国造りを後押しする、その前提の下で約20年間にわたりアフガニスタンの安定化と復興に向けて、一体となって取り組んできました。今般、タリバンの首都、カブールへの入域によってガニ政権は、これ、機能しなくなり、タリバンへの権力移譲の流れとなりましたが、今後の情勢というのは依然として不透明であると、このように思っています。 わが国としては、アフガニスタンの安定化と復興が、地域および国際社会の平和と安定にとって引き続き、極めて重要である、このように認識しております。邦人の安全確保を最優先に、日本の国益を踏まえつつ、米国などの関係国と連携して適切に対応していく、これがわが国の考え方であります。 なお、米国との間では長きにわたる同盟国の関係でありますので、普遍的価値および共通の原則に基づく確固たる信頼関係が構築をされてきておりまして、私自身、バイデン大統領との間で日米同盟に対して揺るぎないコミットメントを累次にわたって確認をしてきています。今回のアフガニスタン、この情勢を受けた対応に当たっても緊密に連携しております。ここは当然のことだというふうに思っています。 司会:それではNHK、長内さん、どうぞ。
今後どういった指標を重点的に分析するのか
NHK:NHKの長内と申します。総理にお伺いします。緊急事態宣言の下で新規感染者数が過去最多を更新して、宣言の効果が薄らいでいるといった指摘もありますけども、今回、拡大・延長した宣言の効果を、今回の宣言の効果を見極めていくために、今後どういった指標を重点的に分析されていくお考えでしょうか。 菅:まず、極めて強い感染力を持つデルタ株によって、かつてない人数の新規感染者が発生をしてます。こうした中で、政府の責務というのは申し上げるもなく国民の命を守ることであります。そのために病床やホテルを増やし、また、自宅にいる患者の皆さんには酸素ステーションなどを確保して、それぞれの患者の皆さんが必要な医療を受けられる体制を確保していく、ここに今、全力で取り組んでいます。 こうした中で、緊急事態宣言の出口に向かって、こうした医療提供体制の負荷、こうしたものに着目をして病床の利用率だとか、あるいはワクチンの接種の状況、重症者数、こうしたことをしっかりと分析した上で、この出口に向かって対応していくことになるというふうに思っています。先生もよろしいですか、出口について。 尾身:今の、どのようにして状況をモニターしていくかというお話ですよね。これはもう私、今、総理がおっしゃったように重症者の数だとか入院した人の数というのは当然モニターする必要があります。しかし私はそれだけではなくて、やはり今、医療の、病院だけじゃなくて地域の全体の医療の資源が非常に逼迫しているということで、そうした今までモニターしてきた指標に加えて、例えば自宅療養者がどのぐらいいるのか、宿泊療養者がどのぐらいいるのか、あるいは入院調整をしている人がどれだけいるかと、こういう指標も非常に重要なので、これについては適宜モニターしていく必要があると思いますけど。 それから効果という意味では、もう1つ非常に重要なのは、これは今までの経験で分かっていることで、人流ですね。特に繁華街の人流というものの推移が新たな新規の感染者数とかなり相関していることが分かっているので、そうした医療への逼迫の様々な指標に加えて、人々の人流、これによって接触の機会がどのぐらいということがある程度、類推できるので、そういうこともモニターしていく必要があると私は考えています。詳細については、これからまた決めて、政府と相談しながら、あるいは専門家の間で議論していきたいと思っております。 司会:それでは読売新聞、黒見さん、どうぞ。