猛暑で「腸」にダメージ……“カビ”から体調不良、“砂漠化”進めば大腸がんも? 医師が勧める食事のコツ『every.特集』
■ガスがたまると「ポンポン」と音が
この夏、普段にも増してガンコな便秘に悩まされているという戸塚裕子さん(56)がクリニックを受診しました。「ズンズンたまってるような。それでおなかが出てくる。なんか足がつったりする」 足がつるという戸塚さんのおなかを松生医師がたたいてみると、「ポンポン」という音が聞こえました。松生医師は「こうやってたたくと、腸の中、ガスたまってると太鼓みたいな音がするんですよ」。 これだけガスがたまっていることから、腸の“砂漠化”が進み、バリア機能の低下が疑われました。
■食事療法でヨーグルト…ポイントは
その対処法について松生医師は「大腸にいいものを水分の中に入れて補給する」と言います。腸の“砂漠化”を解消するため、戸塚さんは食事療法を始めました。まず松生医師が勧めたのはヨーグルトです。 ただし、ポイントは食べ方。ヨーグルトに入れるのは甘酒です(お酒の苦手な人は米こうじ由来・アルコール分0%を推奨)。意外な組み合わせですが、「すごく味がおいしいんですよ。甘くなるし」と戸塚さんは言います。 ヨーグルトの乳酸菌が腸管バリアを強くし、さらに甘酒が働きを良くするそうです。松生医師は「甘酒を飲んでもらって、前後で腸のビフィズス菌量が増えることが分かったんです。それが多い方が、腸内環境がいいんですよね」と話します。 夏の甘酒ヨーグルトは水分補給にもなり、一石二鳥だそうです。
■3週間続けて「こんなに違うんだ」
もう1つ、腸の“砂漠化”対策を続けるのに良い組み合わせがあるといいます。それはキウイフルーツです。松生医師は「慢性便秘の治療ガイドラインで効果が認められた果物なんですよ。腸の表面を守ってくれる」と解説します。 水溶性食物繊維が豊富なキウイをヨーグルトと一緒に食べることで、腸のバリア機能を守ることが期待できるそうです。 腸を“砂漠化”から守るため、ヨーグルトと甘酒、キウイの組み合わせを3週間続けた戸塚さん。「“通便”がよくなったのはすごく実感できていますね。こんなに違うんだ、食生活って大切だなって、すごくよく分かりました」 今年の猛暑でダメージがたまっているかもしれない腸。おなかがゆるくなる腸カビには、和食中心の食事を。便秘が続く“砂漠化”には、ヨーグルトの食べ方の工夫を。それぞれ腸のバリア機能を高める食生活が大切だということです。 (9月9日『news every.』より)
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