猛暑で「腸」にダメージ……“カビ”から体調不良、“砂漠化”進めば大腸がんも? 医師が勧める食事のコツ『every.特集』
■ご飯中心の和食メニューが基本
スタートから4週間後に訪ねると、吉田さんは「肩こりがなくなったのがうれしいです。頭痛もなくなりましたし、とにかく調子はいいですね」と変化を実感している様子。吉田さんが続けた、腸カビを減らすための食事はどんなものでしょうか? まず基本は、お菓子などの甘いものを控え、ゆっくり消化されるご飯中心の和食メニューです。 姫野医師 「このカンジダ菌は、糖質が大好きなんですね。砂糖を断つことによってカビの増殖を防ぐことができます。一生食べちゃダメってわけじゃないんですね。何を食べても大丈夫なおなかにすることが目的ですから、腸管バリアを強くするための食事(が大事です)」
■姫野医師「油も上手に使いながら」
さらに、腸カビを減らすため和食に加えたのが、油です。姫野医師は「MCTオイル・中鎖脂肪酸がいいですね。抗菌作用があるので。油も上手に使いながら食事を作るとよろしいかなと思いますね」と勧めます。 MCT(中鎖脂肪酸)はココナツに多く含まれ、無味無臭です。そのため吉田さんは、サラダやお刺身のしょう油に加えて毎日とったそうです。
■体調が改善、友達は「化粧品変えた?」
もう1つ、姫野医師が腸カビを減らすのに役立つと勧めたのが、豆乳をはじめとする植物性ミルクです。「アレルギーも形成しにくいですし、腸管バリアに対して優しいので、壊したりすることがないんですね」と説明します。 吉田さんのお気に入りは、お米のミルク。飲みやすくて続けられたそうで、「私の中のルーティーンみたいになっています」。すっかり体調が良くなり、友達に会った時に「何か変わった? 化粧品変えた?」「ちょっと細くなった?」などと言われたといいます。 今後もこうした腸カビを減らす食事を続ければ、3か月ほどで腸のバリアが正常化に向かうとみられます。
■粘膜の水分が減り、バリア機能が低下
一方、猛暑の影響で腸にダメージを与えるのは、カビだけではありません。これまで5万人の腸を見てきたという、東京・立川市にある「松生クリニック」の松生恒夫医師(消化器内科)に聞きました。 松生医師 「猛暑って普通じゃないんですよ。35℃を超してくると、水分代謝が足りなくて、腸の“砂漠化”が起こってくると言ってもいいんじゃないですかね」 猛暑で起きやすい、腸の“砂漠化”とはどんなものでしょうか? 松生医師によると、まず猛暑で多く汗をかくと、腸に行く水分が減少。すると腸の粘膜の水分も減り、バリア機能が低下するのが、“砂漠化”だということです。 松生医師 「腸管バリアが損傷していたら、老廃物が体内に入ってしまいます。長年の蓄積だと、大腸がんに結びつく可能性も出てくると思いますね」
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