西武がドラフト1位から3位の隅田、佐藤、古賀“大卒3人衆”を1軍キャンプに抜擢した“切羽詰まった事情”とは?
最下位からの逆襲を期す西武が21日、埼玉・所沢市内で全体会議を開き、キャンプのA班(一軍)とB班(二軍)にメンバーを振り分ける大枠を決めた。 ルーキーではともに即戦力の期待がかかるドラフト1位の隅田知一郎(22・西日本工業大)、2位の佐藤隼輔(22・筑波大)の左腕コンビに、3位の古賀悠斗捕手(22・中央大)を加えた上位3人が、宮崎・南郷町でキャンプを行うA班スタートが決まった。 さらに2年目のブランドン内野手(23・東京農業大北海道オホーツク)も、昨年に続いてA班入りが決定。会議後にオンラインでメディアに対応した辻発彦監督は、今シーズンのチームスローガン『Change UP!』のもとで「とにかく競争。競争心を前面に押し出してほしい」と、若い力がチーム全体を押し上げてほしいと期待を込めた。
競争力アップへの期待
まだ大枠が決まった段階ながら、宮崎・南郷町でキャンプを行うA班に、昨秋のドラフト会議で西武に入団した6人のうち上位3人がそろって入った。 そのなかでも即戦力の期待がかかる左腕コンビ、1位の隅田と2位の佐藤へ、全体会議後にオンラインでメディアに対応した辻監督は「力のある2人ですからね」とあらためて評価。その上で2人を中心に、新たな構図が生まれてほしいと期待を込めた。 「そういったところで飛ばしすぎなければいいかなと思いますけど、やはりいままで先発に入っていたメンバーも含めて、すべての投手が当然、注目するでしょう。なので、そういったなかで競争してもらえればいいかなと思っています」 2020年のドラフト会議でも、4球団が競合した早大の左腕・早川隆久(楽天)を指名した西武にとって、先発ローテーションを担える左腕獲得は急務だった。 本拠地を埼玉県所沢市に移転し、球団名も変更した1979年以来、42年ぶりにパ・リーグ最下位に沈んだ昨シーズンを振り返れば、左腕による勝ち星はともに先発を託された浜屋将太と内海哲也が、それぞれ1勝をあげただけのわずか2勝に終わった。 ドラフト2位の佐々木健(25・NTT東日本)、前カブスのダーモディらが先発するも勝ち星をあげられず、再生を期待して獲得した2012年のリーグMVP、吉川光夫は先発のマウンドに立てないまま、ダーモディとともに退団している。 それだけに広島、巨人、東京ヤクルトを加えた、昨秋のドラフト会議で最多となる4球団の競合を制して獲得した隅田にかかる期待は大きい。