西武がドラフト1位から3位の隅田、佐藤、古賀“大卒3人衆”を1軍キャンプに抜擢した“切羽詰まった事情”とは?
特に一軍初安打をホームランで飾るなど、パンチ力あるバッティングを武器にする2年目のブランドンは、このオフに沖縄の同郷である先輩、山川に弟子入り。さらに磨いた打撃力を携えての2年連続のA班入りに、こんなコメントを発表した。 「今年も特別に意識しすぎることなく、スタートから自分のよさを出していけたらと思います。特にバッティングをアピールしたいです」 捲土重来を期す今シーズンのチームスローガンは『Change UP!』に決まった。 「チームが辻監督のもと(※「督」と「の」の間にブランクが入っていたので詰めて下さい)獅子奮迅のごとく、過去のことが霞んで見えなくなるくらいにギアを一気に入れ替え、優勝へ駈けあがってほしいという意味を込めました」 球団の説明内で言及された「ギアの入れ替え」の第一歩になるのが、松井稼頭央ヘッドコーチ(前西武二軍監督)、平石洋介打撃コーチ(前ソフトバンク打撃コーチ)らの入閣であり、ドラフト上位3選手とブランドンのA班入りとなる。 24日をめどに最終的なメンバーが発表されるなかで、指揮官が横一線を強調する外野陣を含めて、さらなる若手の抜擢もあるかもしれない。辻監督は「とにかく競争。競争を前面に押し出してほしい」とチームを鼓舞し、さらにこう続けた。 「最下位に沈んだ昨年の悔しさを全員が持っているし、怪我で不本意なシーズンを送った選手も多いなかで、今年にかける意気込みはいままで以上に大きいんじゃないかと期待している。目標はただひとつなので、キャンプからチームが一丸となって集中していくことが、優勝へつながっていくんじゃないかと思っています」 先発左腕候補のエンス(前レイズ)を含めて、総入れ替えとなる5人の新外国人が入国できるめどは、新型コロナウイルスが変異した「オミクロン株」の影響で立っていない。もっとも、この状況ばかりは現場では変えられない。現状できるベストの作業として、日本人選手だけで切磋琢磨しながら、新しい西武の土台を作り上げていく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)