なぜ横浜DeNAの牧秀悟は守備“名手”大和に弟子入りしたのか…二遊間合同自主トレで2年目ジンクスの不安解消?!
昨季ルーキーながら打率.314、22本、71打点の好成績を残した横浜DeNAの牧秀悟(23)が先輩の大和(34)に弟子入りして鹿児島県鹿屋市内で行っている合同自主トレが20日、公開されて両選手がオンラインで取材対応した。牧が大和に合同自主トレを申し出た理由は何なのか。最下位からの逆襲をはかる横浜DeNAのキーマンが2年目のジンクスに打ち勝つ術が見えてきた。
年末に突然LINEで申し出
“弟子入り志願”のLINEは12月下旬に突然きた。 「守備と1年を通してのコンディション作りを教えて下さい」 11歳年下の牧からの申し出は、故郷の鹿屋で一人で自主トレを行う予定でいた大和にとって「予想外」だったが「断るに断り切れず(笑)」承諾。とんとん拍子で計画が進んだという。 横浜DeNAの二遊間コンビの合同自主トレは8日からスタートした。 午前中はランニングなどの走り込みやトレーニング、守備演習を中心にしたメニューをこなす。 「足をただ上げるのではなく体幹で上げる。軸を意識できるようになる」(牧)というキックボクシングのミット打ちメニューなどもあり華麗な高速ミドルキックを連発させた。午後には、2時間、たっぷりとバットを振る打撃編だ。 牧が大和から伝授されているのは体の使い方とゴロへの入り方などの守備の基本動作。 「大和さんは派手な守備のスペシャリスト。速くて無駄のないプレーをしていると思っていたけれど、一緒にやると、基礎をやることで上手く見えていることがわかった」 特に学んだのは「足を使え」という守備の基本だ。足を使うことが、プロ野球で長くプレーすることにも通じる。 大和も弟子ののみこみの早さを「すべてにおいて吸収する能力が高い」と絶賛。 「めちゃくちゃ刺激をもらった。僕にとってもプラスになった」と、衝撃のルーキーイヤーを飾った牧との合同自主トレ効果を語った。
牧が大和に守備とコンディションの極意を学びたいと決意した背景には年俸が1300万円から7000万円に上がった最高のシーズンの反省がある。 「後半は凄くバッティングの形も良かったのですが、中盤から夏場に体の疲れもあって数字が上がってこない時期が長くあった」 「3番・一塁」で開幕スタメンを勝ち取り、順調なスタートを切ったが、梅雨時の6月から7月にかけた夏場に疲労から調子を落としスタメンを外れる機会が増えた。プロのストレートの対応にも「打球が前に飛ばず」苦労した。 だが、東京五輪の休止期間を使ってリフレッシュ。同時に「真っ直ぐに対する取り組み方を変えた。体の使い方、準備の仕方を意識するようにした」ことでV字回復。 8月25日の阪神戦ではルーキーでは史上初となるサイクル安打を記録し、オースティンのケガもあって10月には最終戦までの15試合で4番も任された。10月の月間打率は.452で二塁打は11本も打った。首位打者の鈴木誠也(広島)に、わずか3厘差に迫る打撃十傑の3位でフィニッシュ。もし調子の波を抑えることができ7月の月間打率.194がなければ首位打者タイトルを獲得していたかもしれない。 だからこそ1年を戦い抜くコンディションの重要性を悟り、「守備と打撃をもう一度一から見つめ直したい」とプロ17年目のベテラン大和の教えを請うたのである。 守備については「ピッチャーが打ち取った当たりを右、左に揺さぶられて捕れないものがあった。エラーもした。ピッチャーからの信用をもっと取れるように」との思いがあった。 エラーは二塁で8つ。 今季は「ゼロにしたい」が目標で、昨季はソトが開幕に間に合わなかったチーム事情があり一塁も67試合守ったが、今季は二塁での「競争に勝ち」全試合フルイニング出場を熱望している。